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2003年11月6日木曜日

会長杯・5年生

今日は11月16日。
昨日は高校選手権の東京都決勝戦が行われ、テレビ中継もされていました。
夕方に帝京ー成立、深夜に國學院久我山ー国士舘というカードでした。

両方とも(深夜放送の方は後半の途中まででギブアップ)観たのですが、高校サッカーらしいというかなんというか…(一生懸命走り回って、全力を出すという意味では)感動を呼ぶ試合ではあると思うのですが、(サッカー関係者としては?)ちょっと淋しい気分になるような試合内容でした。

帝京、成立、国士舘の選手達は、おそらく(止める・蹴る・運ぶといった基礎の)技術的には高いものを持っていると思います。
しかし、ボールをつなぐという事のリスク(パスカットからのカウンター)を恐れすぎるためか、ほとんどがアバウトなタテパス(放り込み)に終始していたような気がします。
とはいっても、ボールをコントロールする時の身体の使い方や「くずし」のパスを出す時の「コース」「タイミング」「強さ」などを見ると、どうやら普段通りの闘い方のような気もします。

しかし、深夜枠に放送された國學院久我山のプレーはちょっと異彩を放っていました。
ディフェンスラインでボールを持っても、落ち着いて味方の選手にボールをつなぐ事を考え、「とりあえず」「陣地挽回のために」長いボールを前戦に蹴り込むという事はほとんど無かったと思います。
必死にボールを取りに来る相手FWの勢いを利用するように「スルッ」と軽くかわし、フリーな選手に丁寧にパスを出す。
ガムシャラにプレーをするという印象の高校サッカーにおいて、ちょっと面白い存在だと感じました。(負けちゃいましたけど…)

さて、なんで高校サッカーの話しを出したかというと、つばさの狙いもやはり「ボールを持った時の落ち着き」だからです。
ガムシャラに、一生懸命やるのがいけないのではありません。
どんなプレーにも全力を尽くさなければいけないと思います。
でも、サッカーは「瞬間の判断」「アドリブ」のスポーツだと思っています。
だからこそ、判断の材料となる周囲の状況を少しでも多く、正確に手に入れるために冷静になる必要があるのです。
相手の状況、味方の状況、グランドのどこにスペースがあるのか…ボールを持っている時も、持った瞬間も、ボールを持っていない時も、攻撃の時も守備の時も常に意識していなければいけません。

ということで、今日の5年生ですが…結果は5-0で勝ちました。
内容的にも圧倒していたと思います。
「落ち着いて」「冷静に」プレーしようという意識も見られましたし、実際そのようなプレーも随所に見られました。

しかし、「満足すると成長は止まる」のです。
まだまだです!
6ブロックの大会では、ほとんど自分たちのサッカーが出来なかったと聞いています。
常に高いレベルを目指して練習に励みましょう!

では、ちょっと具体的な話しをしましょう。
「判断」「駆け引き」を伴ったサッカーをするためには、「見る」という事が必要不可欠です。
それも、ボールもしくはボール周辺だけではなく、グランド全体を「見る」という事が必要です。

サッカーファンとサッカー選手との違いはここだとも思っています。
スタジアムで試合を見る時にも、一般のサッカーファンはボールの周辺ばかりに目を向けますが、サッカー選手(経験者)は次に展開されそうな場所に先に目をやったり、ディフェンスラインの状況などに目を向け、どうやって攻撃しようかなどと考えるものです。

試合を観戦していると、ワールドクラスの選手に対しても「お前、違うだろ!」などと偉そうに毒づいている人も多いと思います。
試合を「観戦」していると、「良い判断」が出来てしまうのです。

スタンドからゲームを見ている時に、「良い判断」が出来るのは高い位置でグランドをくまなく見る事が出来るからで、しかも相手チームからのプレッシャーを受ける事もないからです。
ゲーム中にプレーをしている時でも、これに近い状態を作りたいものです。

ゲーム中にプレーをしている選手が、高い位置でグランドを見る事はできませんが、相手のプレッシャーをなるべく少なくする事はできます。
一つは、いままでもよく言っていたように「なるべく早くボールをコントロール(自分の支配下におく)する」「相手から遠いところにボールをおく」というようなボールコントロール技術です。
そして、もうひとつは頭の中の技術…「ポジショニング」です。

今日のゲームで気になったのは、サイドの選手のボールの受け方と、スイーパー・ボランチの選手のボールの受け方でした。
ボールを持ってから「上手く」プレーする事が要求されるのですが、そのためにはボールを持っていない時に「プレー」していなければいけません。

簡単に言うと…
●なるべく敵から離れてフリーになり、ボールを受けた時、時間的・精神的に楽になるようにする。
●グランド全体が見れるような「ポジショニング」(位置取り)と身体の向きを意識する。
この2つです。

サイドの選手であれば…
いや、ちょっと待って下さい。

文才のない自分には、文章だけで伝えるのには限界があります…
後日、図解を追加するという事で、今日はここまで…

つづく…

2003年11月3日月曜日

会長杯・2年生

秋の大会から2チームエントリーとなった2年生。
試合をする時間が増える事を狙ったのですが…結局、試合時間だけを見ると春の大会とあまり変わらないという事になってしまいました。

2日にBチーム、3日にAチームの試合が入っていたので、まとめて書こうと思います。
結果を先に言うと、Bチームは明愛に3対5で負け。
Aチームは、鷺宮Aに2対1で勝った後、わかみやに1対7で負けました。

Aチーム、Bチームともに試合前の指示やハーフタイムの指示は同じでした。
「何がなんでもボールに食らいついていく事!」
たとえ、味方同士がぶつかるような事になっても、「自分がボールを奪うんだ!」「オレがドリブルするんだ!」という気持ちで「闘う」事が大切だと言いました。
もちろん、ドリブルはスペース(『空いている方へ』と子ども達には言っている)を上手く使うだとか、ゴールキックはペナルティエリアのギリギリでボールを拾うというような事も言いましたが、闘う姿勢を見せるという事を今大会のテーマと考えました。

その闘う姿勢ですが、100点満点とはいかないまでも、まぁ及第点を与える事の出来る内容だったと思います。
Bチームは、2点を先制された後、2ゴールをあげ同点に持ち込んだ時間もありました。
その後、さらに2点を奪われるのですが、そこからまた1点を取り返しました。
終了間際に更に1ゴールを奪われ力尽きましたが、最後までよく闘ったと思います。

Aチームも、1試合目の鷺宮戦では先制点をゆるしてしまいましたが、1点を返した後もねばり強いゲームをして、ロスタイムに1点を奪い見事に逆転で勝利を収めました。
2試合目は、点差こそ1対7と開いてしまいましたが、子ども達は最後まで必死にボールを追いかけていました。

「パス」という戦い方を身に付けていない2年生にとって、攻撃時にドリブルだけで相手を「くずす」という事は非常に難しいのです。
1人のドリブルだけでシュートまで持ち込むのは不可能に近く、そんな事が出来るなら…天才といわせてもらいましょう。
「大きく蹴る」ことを良しとしない、つばさの戦い方では尚更です。
では、どうすればよいのでしょうか?
ドリブルで持ち込む、取られたらそこですぐに(ドリブルしていた選手とは別の選手でも良い)取り返す、そしてまたドリブルで持ち込む…
この繰り返ししかありません。

自分たちの攻撃が途切れた時は、フッと集中が切れるものですが、そこですぐにボールを奪う態勢をとれるかどうかが(低学年の試合に限らず)重要だと思います。
だからこそ、「最後までボールに食らいつく」ことが必要であり、「闘う姿勢を見せる」ことが大切なのです。

奪われたボールをすぐに奪い返すという事に関していえば、もうちょっとだったと思います。
しかし、最後までゲームを投げずに頑張った姿勢は見事でした。
ということで、100点満点ではありませんでしたが、及第点をあげる事のできるゲームだったと思います。

技術的な部分に目を向けると、明愛やわかみやの上手な選手達とつばさの選手達の大きな違いは、ボールを持った時の姿勢でしょうか。
つばさの子達は、「必死」にドリブルをするという感じで、ボールをコントロールし切れていないような印象を受けます。
対して、明愛やわかみやのドリブルが上手な選手達は、軸がぶれないというような感じのドリブルが出来ます。
速さやパワーに頼らずに、相手に取られないようなドリブルをイメージ出来るようになれば良いのですが…

ここに書いた、精神的なテーマや技術的な課題は、低学年に限った話しではありません。
高学年になっても、また中学生になっても、高校生になっても必要な事だと思います。
というよりも、基本中の基本のような気がします。
「負けた」という結果に目を向ける事も大切な事ですが、このゲームを経験する事によって得る事の出来た「テーマ」「課題」に取り組み、今後に活かすという事も非常に大切な事だと思います。

目の前の勝利、1点にこだわる事で、バランスの崩れたドリブルをしてしまうのではなく、良いフォームでボールをコントロールしようではありませんか!
相手に取られても、すぐに取り返せば良いだけの事です。

目指すは、スピードだけで突破するのではなく、相手をヒラリとかわすドリブラー!
もちろん、相手ボールに対しては、「速く」「きびしく」「強く」奪いにいく!
そんな選手になって欲しいなぁ…(あ、コーチがそう育てるんだった!)