ページビューの合計

2004年11月28日日曜日

会長杯・4年生

つばさ同士のガチンコ対決。
自分の記憶では、初めてだと思います。
ちょっと楽しみな気持ちもあるのですが、どちらかが勝ち上がる代わりに、どちらかは必ず敗退してしまうのです。
試合中は、ちょっと複雑な気持ちで観戦していました。

さて、結果の方は4-3でBチームが勝ちました。
テクニックや試合運びをチーム全体で考えるとAチームにやや分があるかなとも思いましたが、Bチームの方も決して負けていませんでした。
両チームとも、持ち味を出せた試合だったとは思います。
試合後は、何とも後味が悪い感じでしたけど…

その後、Bチームは谷戸キッカーズAに0-4で敗れ、28日の3位決定戦に進みましたが、そこでもジェッツAに0-3と負けてしまいました。

結局、ベスト8と敢闘賞という事になりましたが、ここ数試合を通して子ども達が何かを感じ取ってくれていればと思います。
もちろん、優勝するに越した事はないし、そうなってくれれば嬉しいのですが、何よりも選手「個人」の能力を上げる事が優先される時期だと思います。
例えチームが優勝しても、「ふ~ん…、で、お前はサッカー上手いの?」と聞かれた時に、「(同じチームの)アイツとアイツは上手いよ!」では困ります。
つばさの子ども達には、サッカーを愛し、長く関わって欲しいのですから、長い目で見て今回の大会が子ども達の糧になった事を切に願います。

さて、この大会を通じて自分が感じた事は「メンタル」の要素です。
しつこいくらいに書いていますが、自分は「根性論」は好きではありません。
しかし、ここで言う「根性論」とは、「技術」や「戦術」を無視した「根性」が全てを支配する様な考え方です。
負けたのは気合いが足りなかったからとか、勝ったのは気合いが入っていたからといった事だけを論じる事には抵抗を感じるのです。
しかし、同じように「気持ち」や「気迫」、「意地」や「プライド」を無視して「技術」や「戦術」のみを語る事は出来ないと思います。

11月14日の「ひとり言」にも書きましたが、「闘う気持ち」というモノは選手にとって備わっていなければならない最低限のモノだと思います。
逆の言い方をすると、その「気持ち」だけをほめられるという事は「技術」や「戦術」に見るべきモノがないという事。
また、「気持ち」が足りないと言われている選手は、高い技術や戦術眼を持っていたとしても、選手として成長するのには決定的に欠落している部分があると考えます。

試合の最後にBチームの子ども達には言いました。
「もっと激しく!」とか「強くボールを取りに行け!」とコーチに言われている間は、選手としてチームとしては、まだまだだという事。
相手ボールに対して厳しく強くなんて事は当たり前になってもらわないと困る。
その上で、ボールの持ち方やパスのタイミング、ボールを受ける時に気をつける事などのアドバイスが増える様にならなければならないと…

「メンタル」はもちろん、「技術」「戦術」面でも多くの課題が見られた大会になりました。
この課題、問題点を子ども達も同じように感じていてくれればいいのですが…
選手とコーチの意図が一致した時こそ、チームが飛躍的に成長する時だと思います。
コーチ歴は長いのですが、模索の日々は続きます。

2004年11月21日日曜日

会長杯・4年生

つばさAB対決を実現させるために、是が非でも勝たなければならないこの試合。
結果はPK戦を制したAチームが準々決勝にコマを進め、23日にAB対決が現実のものとなりました。

ところが…
試合内容は完全なる「負けゲーム」。
サッカーで負けて、勝負で勝った(試合自体は1-1なので勝ってはいませんが…)という所でしょうか…
ビッグチャンスも何回かありましたが、それよりも決定的なピンチを迎えた回数の方が遙かに上回っていました。

対戦相手のしんやまには「勢い」がありました。
選手達の運動量やボールに対する激しさなど、つばさには持っていないモノを存分に出された形になりました。
そういった、速く厳しいプレッシャーや圧力というモノに負けないだけの「強さ」を身につける事も必要だと思います。
それが、ここのところ強調している「メンタル」の強さだと思います。

しかし、サッカーの魅力は、ボールを激しく奪い合う事でも身体のぶつかり合いに勝つ事でも、速く走る事でも、たくさん動く事でもないと思っています。
これらの要素はサッカーで相手よりも優位に立つには必要な要素だと思いますが、サッカーの本当の魅力ではないと思います。
サッカーはプロレスや相撲でもないし、陸上やガマンくらべでもないのです。

サッカーの魅力は、相手との駆け引きだと自分は思っています。
「駆け引き」とは、簡単に言うと「ダマし合い」。
パスやドリブル、シュートといった場面で、いかに相手のウラをとるか。
相手の予測した事と違う方法でプレーを成功させた時、最高に気持ちがイイのです。
それは、オフェンスの時でもディフェンスの時でも、試合中は常に存在します。
レベルの高い相手との「駆け引き」(ダマし合い)はプレーしていても、なんだか嬉しくなりワクワクした気持ちになります。

オフェンスの時は、例えドリブルで相手を抜いたとしても、それが単なるスピードで勝っただけだったり、パスコースが読まれていたけど、なんとか味方に通ったプレーというのはあまり納得がいきません。
反対に、完全に相手のウラをとったプレーで決定的な場面を演出したり、ゴールを決めたりした時は、思わず相手に向かって微笑みかけながら舌を出してしまいたい衝動に駆られてしまいます。(ざまぁみろ…と)
なんだか、とっても性格の悪い人間に見えますが、サッカー選手は「ずる賢く」なければいけないのです。

そういった、駆け引きを楽しむためには、ボールを思い通りにコントロールする技術は必要不可欠です。
ある程度の身体能力も必要になります。
でも、サーカスの様なボールコントロール技術は必要ない(とは言いませんが…)し、100メートルを10秒台で走る様なスピードも、マラソン選手の様に長距離を走る能力も必要ありません。(そんな能力が備わっていたら、『ラッキー!』程度の認識でいいのでは?)

状況に応じて、自分の思い通りにボールをコントロールする技術は、頭を使うサッカーには必要不可欠です。
これは、リフティングが1000回できるとか、2000回出来るとかという問題ではありません。
中国雑伎団の様な小技も必要かと聞かれれば、「できればイイんじゃないか?」と答える程度だと思います。
それよりも、どんなボールでも思い通りにコントロール(トラップ)出来たり、狙った所にボールを蹴れる(その球筋も多くの種類が必要)事の方が大切です。

ジダンにスピードや強さを感じるでしょうか?
むしろボールコントロールの巧みさと、パスやドリブルのタイミングや意外性に目を奪われるのではないでしょうか?
現在、日本代表監督のジーコの現役時代のプレーもそうでした。
プラティニやマラドーナも…
(マラドーナにはスピードも強さもありましたが、それらが強調されることはなかったような気がします。身長も160cmちょっとしかなかったし…)

そうすれば、ガンガンとプレッシャーをかけてくる相手にも対応できます。
現在の4年生には、そこまでのボールコントロール技術はありませんし、まだ「駆け引き」を楽しむほど成熟もしていません。
でも、「もうちょっと頭を使えば?」という場面がいくつもありました。
前にも、どこかで書いたと思いますが、そういった事は「教わる」事ではないと思っています。
自然に「覚える」モノだと…
一緒にプレーするコーチ陣が、もっともっと子ども達を「おちょくり」倒し、彼らが「遊び」感覚で自然に身につけていってもらいたいと思います。

他にも言いたい事はいっぱいあるのですが、いっぱいありすぎるので、今回は中途半端で訳の分からない「ひとり言」ですが、ここまでにします。
明日は、どちらかが必ず負ける試合…
決勝前に、こんな試合があるのは、ちょっとイヤな気分です。

2004年11月14日日曜日

会長杯・4年生

20人という微妙な人数を抱えた4年生。
保護者会などで希望を聞いて、秋の大会は2チームエントリーという事になりました。
という事は、両チームとも11人には足りません。
そこで、3年生から助っ人登場となります。
最初は、コーチサイドから数名を指名して連れて行こうかとも思ったのですが、秋の大会は3年生は出ませんので、欲求不満をため込んでいる子がいる可能性もあると考え、「出たい!」と思っている子は全員連れて行くという事に決めました。
結果、9名が参加を表明。
ということで、初めての3・4年生の混成試合となりました。

AチームとBチーム、普段から同じ練習をしているはずなのですが、その試合内容は大きく異なりました。
対戦相手が違うので、全く同じになるわけはないのですが、こうもキレイに反対になるモンかと思ってしまいました。
Aチームは、ディフェンスに回った時に優しすぎる面が目立ち、「メンタル」面ではちょっと物足りない…
逆にBチームは、相手がクリアしようとしている所に身体を投げ出し、ボールを身体のどこかに当てて、簡単にロングボールを蹴らせない場面が非常に目立ちました。
それ以外の場面でも、「ボールを奪ってやる!」「攻撃させない!」という気持ちが良く表れていたと思います。
そして、攻撃の時には、Aチームが和人とモクチャンを中心に上手くサイドを変える様なボール回しができていたのに対し、Bチームの方はグランドを広く使う事ができませんでした。

試合の度に、課題が出てくる事はごく当然の事だと思います。
100点満点の試合なんてものは存在しないと思っています。
大切なのは、「早く改善できる事」をいつまでもそのままにしておかないという事だと思います。
ここで言うと「メンタル」面がそれに当たると思います。

もちろん、元々の性格やこれまで育ってきた生活環境などが、各選手の「メンタル」に与える影響は大きいと思いますし、そういった周囲を取り巻く環境や性格、人間性を簡単に変える事はできないと思っています。
では、なぜ「早く改善できる事」と言ったのか?

ものすごく大雑把な言い方をすれば、「走れ」ばイイのです。
相手ボールに対して、あと1歩近づく…
それは、リフティングの回数を増やす事よりも簡単だと思うのですが、いかがでしょうか?
もちろん、すでに限界近くまで走り回っているのであれば、もう1歩というのは、かなり大変な作業となるかもしれません。
でも、自分の目から見ると、あと4歩も5歩も近づく事ができると思うのです。
だからこそ、もっと「厳しく」「激しく」ボールを奪いに行く事は、「早く改善できる事」だと思うのです。

春の大会の決勝戦の時にも感じましたが、(というより、つばさではどの学年にも感じる)選手として伸びる為には必要不可欠な「メンタル」の強さに物足りなさを感じてしまうのです。
「気合いだけ」「根性だけ」の選手では困りますが、「気持ち」が入っていない選手は選手と呼びたくありません。
しばらくは、「メンタル」面を強調しつつ、ボールを持った時にはちょっと落ち着くという事が課題となりそうです。

ちょっと横道…

もう、かなり古い話題となりますが、「メンタル」に関連してオリンピック代表について…

さて、このアテネ組に対しては、あまり批判的な報道を目にしませんでした。
フル代表のジーコジャパンと比較すると、そこには天と地の差がある様に感じました。
でも、自分には、それが不思議でなりませんでした。
なぜなら、アテネ組のサッカーを見ても、全く心が動かされないのです。
むしろ、日の丸をつけて海外に出て行く事に恥ずかしささえ感じてしまうほどです。

なぜか?
それは、彼らを評価する時に決まって出てくる言葉があり、それ以外の言葉はほとんど聞かれなかったからだと思います。
その言葉とは「闘う姿勢」。

さんざん「メンタル」面の重要性を書いてきたのに、その「メンタル」面で評価されるアテネ組に好感を持てないのは何故か?
理由は簡単です。
「メンタル面の強さ」は選手として備えていなければならない必要最低限のモノだからです。

彼らは、すでにプロ契約している選手が大半です。
しかも、子どもではありません。
23歳以下なのです。
そして、なにより彼らは「日の丸」をつけてプレーする「代表」なのです。

それなのに、オリンピック直前に行われた韓国戦で、山本監督は「戦う姿勢が見られたので良かったです。」とコメントしていました。
自分はその時思ったのです、「今更そんな事を評価してどうすんの?」と。
そんなの当たり前でしょ?
どこの代表選手だって、そんなのは最低条件だろ?
そんな環境にこれから飛び込んで闘うのに…
それで、メダルを取るなんて本気で言ってんのか?
ホントに世界のサッカーを知ってんのか?

自分の感性が世間とズレ過ぎているのでしょうか?
でも、代表として活動するチームには、「戦う姿勢」は当たり前であって欲しいし、それにプラスして「スゴイ」何かを見せて欲しいと思うのです。

う~ん…
代表サポーターには袋だたきにされそうだなぁ。
ということで、まだまだ言いたい事はありますが、この辺で…

2004年11月7日日曜日

会長杯・6年生

「ひとり言」の更新が溜まってきたという事もあり、3日と7日の分をまとめて書きたいと思います。

この2日間も、前回(9月23日)の大会と同様、純一・直途がブロック選抜で抜ける事になりました。
加えて、風邪やオスグッドによる欠席などで6年生だけで11人を揃える事は不可能。
という事で、5年生から4人の応援を借りて戦う事となりました。

まず、3日の2試合。
しんやまAと江古田戦。
しんやま戦は、1-0で勝ちましたが、「よく勝てたなぁ…」という試合。
江古田戦は、1-1の引き分けですが、こちらも「良く引き分けたなぁ…」という試合でした。

ともに、負ける(点を取られる)感じはしなかったものの(それでも、江古田戦では1点を先制されてしまいましたが…)つばさがゴールを割るという感じが全くしませんでした。
しんやま戦の1点は、セットプレー(コーナーキック)から得たもの。
江古田戦の1点は、助っ人5年生の琢人の個人技(というかスピード?)による突破から生まれたもの。
それ以外には、チャンスらしいチャンスがなかったのが残念ではあります。
「もっと出来るはずなのになぁ…」という思いを持ってしまうのは、この試合も変わりませんでした。

さて、同じくフジパンカップ(ブロック選抜の都大会)と日程が重なった7日は本郷戦です。
この日も1-1と引き分ける事になり、上位4チームに入り決勝トーナメント進出という最低条件もクリア出来るかどうかという、非常に際どいポジションになってしまいました。
ですが、試合の内容に目を移すと、良い場面が2つありました。

ともに、孝紀からのスルーボールでしたが、共通して良かった点は2つ。
●ゆっくりとドリブルで持ち上がりながらラストパスを出した事。
●ショートレンジのスルーボールだった事。

日頃から「ゆっくり!」といった指示を出しているのは、このような形でシュートチャンスを演出するためです。
慌ただしくボールをキープしながら、もしくは相手とボールを奪い合いながらのラストパスよりも、ドフリーで前向きになっている選手が出すラストパスの方が、タイミングや強さ、コースといった点で優位なのは明らかです。
この日の2つのスルーボールは、タイミング、強さ、コース、どの要素を見ても最高に近かったと思います。

そして、それらの要素が最高のレベルに近かったもうひとつの原因は、ラストパスを受ける選手と出し手との距離が近かったという事だと思います。
ラストパスに大切なのは、先ほども書いた通り、タイミング、強さ、コースです。
これは、そのパスを受けた選手がそのままシュートを打てる様なボールが望ましいという事です。
そのためには、出し手と受け手の距離が近い方が良いに決まっています。
もちろん、最終ラインからも的確に狙い通りのパスを出せる選手もいます。
しかし、それは非常に高いレベルでの話し。
より精度の高いラストパスを出すためには、相手の最終ラインから5mほど手前の位置から出すラストパスが最も効果的だと思います。
(強豪といわれるチーム(小学生はもちろん、高校や大学レベル、中にはJのチームにも…)は最終ラインから『アバウト』なロングボールを『放り込む』形が多いのが現実ですが…)

ということで、攻撃の最終目標は「ゴール」であり「シュート」なのですが、その前段階として「トップ下の位置でフリーで前向きでボールを持つ」という事が必要となります。
この日の試合では、その場面を作る事ができ、なおかつ良い形でシュートまで持っていけたという事が大きな収穫だったと思います。

最初の場面は、中盤でボールを持った(味方からパスを受けたのか、奪ったのかは覚えていない…)孝紀がゆっくりと持ち上がり、坂龍にスルーボール。
坂龍の動き出しがちょっと遅かったので、受け手と出し手のタイミングが合わなかったのですが、強さとコースが良かったので、坂龍はゴール前でフリーでシュートチャンスを迎える事が出来ました。

そして、もうひとつの場面は、鈴木コーチも掲示板に書いていますが、ベンチで見ていて「ほぅ…」と感心してしまう様なボール回しでした。
左サイドでボールを持った智から、斜め後方でボールを受けた孝紀が、良いパスコースを見つけられず、もう1つ後ろの亮佑にボールを預け動き直す。
孝紀がフリーになって亮佑からボールを受け直し、ゆっくりとトップ下のスペースをドリブルで持ち上がり、右サイドを抜け出した梅ちゃんへスルーボール。

注目すべきは、2つめの場面で智からボールを受けた孝紀の働きです。
左サイドでボールを持った智の前に、敵は2人。
この試合で何回も見かけた場面です。
ほとんどは、ドリブル勝負を仕掛けてボールを奪われたり、なんとか強引に突破しても、その後の体勢(ドリブルしている選手もチームのバランスも)が悪く、結局シュートシーンは作れないという、いつも通りの展開でした。
しかし、この時は「智、智!」と後方から孝紀がボールを要求。
その後は、非常に楽なボール回しから、決定的な場面を演出しました。

ゴール方向へ「仕掛ける」のか、サイドを変えるのかの判断は、ボール保持者に因る所が大きいと思いますし、ボールを持った時にその判断を早く正確にして欲しいと思うのですが、周囲の選手も同時にその判断をしなければいけないのです。
「そこは勝負しろ!」とか「行くな!下げろ!」という指示とそれに伴ったポジショニングが出来る様になって欲しいと思います。
そういった点では、2つめの場面での孝紀は、智に勝負を仕掛けさせずに後方へ下げさせ、逆サイドでチャンスを演出できたのは素晴らしかったと思います。

サッカーではボールを持ってプレーしている時間は全体の1%程しかないと言われています。
良い選手は、ボールを持っていない時間を上手く使うのです。
フィールド全体を見渡し、次のプレーを予測しポジショニングをとる。
パスが出てくるか分からないが、長い距離を走ってボールを受ける動きをする。
ボールがない時にこそ、良い選手かどうかが問われる時なのです。

そんなボールを持っていない時のプレーのひとつとして、「声」によるコントロールがあります。
「チームとして」その場面は「勝負」をすべきなのか、一旦「展開」すべきなのかを「声」でボール保持者に指示を出す事はサッカー選手にとって大切な「技術」のひとつなのです。
ボールを持つと頑張りすぎてしまう選手も、他の選手の事なら客観的に見る事が出来るかもしれません。
チームにとってどうすべきかをお互い「声」に出して指示し合う様になれば、さらにレベルの高いサッカーが出来るはずです。

小学生にそこまで望むのは難しいかもしれません。
でも、絶対に出来ないような事ではないとも思っています。
少しずつで構いません。
「ドリブルで仕掛けていいぞ!」とか「やめろ、やめろ!」といった指示がちょっとずつでもいいですから、チーム内で増えてくる事を期待します。

ミスした味方に「文句」を言う事は簡単です。
でも、そこから生まれるものは少ないと思います。
味方がミスをしたり、相手にボールを取られる前に「声」で助けてあげましょう。
それが「指示」であり「コーチング」なのです。
「文句」を言う選手ではなく、「指示」を出せる選手になりましょう!

2004年10月24日日曜日

中野区春季大会・4年生・決勝T

10月も終わろうというのに、「春」の大会っていうのも…
狙った様に週末を襲う雨のせいで、ここまで引き延ばされることになってしまいました。
それに加えて、「ひとり言」の更新の遅れ…
もう、みんな忘れている頃でしょうか?
という事で、4年生の決勝トーナメントです。

結果から先に言うと、準優勝でした。
この「準優勝」という結果に関しては、人それぞれ思う所があるでしょう。
でも、中野区で2位という結果を勝ち取った事は、認められて良いと思います。

でも…やってしまいました。
試合後のミーティングで、子ども達に対して一言のほめ言葉もかけてやらなかったのです。
後になって思い返せば、「失敗したなぁ…」と感じるのですが、その時は「ほめる」なんて事は全く頭の中にはありませんでした。

それは、優勝を逃したからでも準優勝に満足していなかったからでもありません。
元々、自分は「結果」は後からついてくるものであって、重要視すべきなのは試合内容だと思っています。
特に、小学生期のサッカーには、「勝てば官軍」という言葉を当てはめてはいけないと思っています。

だからこそ、「準優勝」という「結果」に対して何も感じていなかったのかもしれません。
しかし、子ども達にとっては、大会で「準優勝」を勝ち取るという事は大変大きな出来事だと思います。
その内容にコーチが満足しているかどうかも大切ですが、「準優勝」という結果は、そう簡単に得られるものではありません。
そこをちゃんと評価してあげる事が出来なかったのは、自分にとって大いに反省すべき点です。
上手く導いていれば、もっとモチベーションを高める事が出来たかもしれないのに…
自分の代わりに、各家庭でご両親が準優勝という結果を評価してくれた事を密かに期待する事にしましょう…

さて、試合内容に目を移します。
この学年は、夏の合宿でようやくサッカーの入り口に立った、いわば「ヨチヨチ歩き」の段階です。
ポジションもまだ決めておらず、「トップ」らしき選手だけを決めて、タテパスのターゲットになろうという事が唯一の「約束事」のようなものです。(というよりもサッカーでは『常識』なのですが)
他にも伝えている事はあるのですが、この試合に関して言えば、そういった「駆け引き」「戦い方」という事よりも「心の中」、簡単に言えば「闘争心」といった事に目がいく事になりました。

今まで何度も書いていますが、自分は精神論者ではありませんし、根性論も好きではありません。
でも、「気持ち」の入っていない選手やプレーはもっと嫌いなのです。
この試合で目立ったのは、相手に攻撃をさせすぎているという事です。
もちろん、相手のレベルが数段上で、為す術もないという場合もあります。
しかし、この試合(決勝)に関して言えば、「もっと頑張れただろう!」という試合だったのです。

自分は、「頑張りすぎるな!」「もっと、ゆっくり!」といった指示を良く出します。
これは、ボールを持った時に、ガムシャラにプレーするのではなく、冷静に状況を判断して「賢く」プレーして欲しいという思いからです。
ボールを保持している時には、「気合い」や「必死」という表現が当てはまってはいけないと思います。
むしろ、飄々とプレーする選手の方が、自分は信頼をおけます。

でも、これはあくまでもボールをしっかりと保持している時に限った話しです。
トラップがちょっとズレてしまいボールを奪われそうだったり、ルーズボールを相手と奪い合う様な状況では、「飄々」としていては困るのです。
そんな時こそ、「気合い」や「根性」を見せて欲しいのです。

自分がボールを失う事や、ルーズボールを相手に渡してしまう事、それによって相手の攻撃を受ける事を何よりも嫌う選手になって欲しいのです。
そうなってしまいそうになった時には、自分の身体を投げ出してでもそれを阻止する様でなければ、選手としては失格といってしまうしかありません。
レクリエーションサッカーであれば、それも良いでしょう。
でも、子ども達には「選手」になってもらいたいのです。

別に「Jリーガー」になれと言っているのではありません。
高校で全国大会に出る様になれと言っているのでもありません。
やれる事を精一杯やる事、常に高い位置を目指す事が、そうする努力を怠らない事が必要だと思うのです。
「面白おかしくできればいいじゃん!」という意見もあるかもしれません。
確かに、そういうサッカーがあっても良いと思います。
でも、選手として真剣勝負が出来る時期は限られているのです。
(選手として)真剣にサッカーと向き合う時期はほんのちょっとしかありません。
その機会を逃してしまうのは、非常にもったいないと思います。

ただの思い出作りのためではなく、将来より良い選手になるために、また、サッカーを続けなかったとしても、真剣に取り組む事は各個人の内面を磨く事は間違いないと思います。
もう選手生活とはトンと縁がなくなってしまった自分から見たら、うらやましい限りです…
(そうはいっても、自分も選手時代は所々で手を抜いていたのですが…)

これから徐々に「頭を使ってサッカーをしよう!」という事になっていくと思いますが、基本的な「メンタル」の部分では泥臭い選手であって欲しいと思います。

2004年9月23日木曜日

会長杯・6年生

純一と直途が第6ブロックトレセンから、第6ブロック選抜(22名)に選ばれた事で、この日の試合には来れない事になりました。
ここまで、その小学生離れした肉体を誇示していた選手と、身体はそれほど大きくないものの、抜群のボールコントロール技術とセンスをもった選手。
この二人がチームを牽引してきたのは、誰もが認めるところでしょう。

しかし、この二人だけが目立ちすぎてしまうのも考えもの。
この1年のゲームを振り返ってみると、この二人以外の選手達に「遠慮」が目立ってしまっているという事は、前回のさわやか杯の「ひとり言」でも書きました。
この二人に遠慮することなく、もっと自分を主張する事が、各選手にとってもチームにとっても絶対に必要であるという事も…

そういった意味でも、このタイミングで二人が抜けた状態で公式戦を迎えるというのは、思いもよらぬチャンスが巡ってきたとしか言いようがありません。
この日の試合は、単なる中野区大会の1試合という事ではなく、今後の6年生チームがどう成長していくかを占う事にもなる、非常に意味のある試合なのです。

試合結果は、0-0の引き分け。
試合に対する「気持ち」に物足りなさを感じた鈴木コーチは、ハーフタイムで檄を飛ばし、試合後のミーティングでも「気持ち」「個々の自覚」といった事を強調していました。
また、その後のシニアの練習(コーチ陣は5年生の練習試合があったため欠席。ミニゲーム中心の練習となったようです。)に参加した6年生達のはしゃぎっぷり(ものすごく元気に動き回っていたし、声も出ていたとの情報アリ)を目の当たりにしたお母さん方は、怒り心頭だったとか…

確かに、合格点をあげる事の出来るような試合ではなかったと思います。
でも、自分は「悪くないなぁ…」と思っていました。
いや、むしろ「なかなかイイかも…」なんて事も思っていたりもしたのです。
どこが良かったかというと、チームでボールを動かしていた点です。
言い方を変えれば、あの二人がいた時よりもボールが良く回っていたのです。

しかし、ゴール前でのチャンスはあまり作れませんでした。
これは、アバウトな放り込みを良しとしないつばさのサッカーにおいては、ある程度仕方がない事だと思います。
ゴール前でこそ、「オレが!」というドリブル突破があったりとか、「ココによこせ!」というようなパスをもらう動き出しや、隙あらばシュートを打つというような、自分を主張するようなプレーを表現しなければなりません。
そういった点では、まだまだ物足りないです。

パスをもらう動きも少なかったし、ボールを持ってもどこに動いて欲しいという様な要求もほとんどありませんでした。
ルーズボールに対する寄せも、ミスをした後にそれを挽回しようと奪い返しにいく姿勢も、もっともっと見せて欲しかったと思います。
それでも、ボールは回せていたような気がします。

それは何故か?
それだけの技術的な裏付けがあるからだと思います。
まぐれや偶然で、あんなにチームでボールをキープする事は出来ません。
実際、5年生の頃は、しっかりとボールを回しながらチャンスをうかがう様なサッカーをしていました。
合宿での対5年生戦では、付き添いのお母さん方から「やっぱり6年生ともなると、スゴイわねぇ…」というお褒めの言葉も頂いています。
自分の目から見ても、合宿での試合は見事でした。

そう、6年生はやろうとしているサッカーが出来るだけの技術を持っているはずなんです。
「合宿の時は相手が5年生だったけど、試合の相手は6年生なんだよ?」と言うかもしれません。
いや、あれだけのサッカーが出来るのであれば、相手が6年生でも出来るはずです。
それだけの最低限の「技術」はあります。

最低限というからには、十分な「技術」ではありません。
もっともっと「技術」をあげる必要はあります。
しかし、たまにはミスをするけれど、トラップする技術もキックする技術もある程度は持っているのです。
決定的に足りないのは「自信」だと思います。

ベンチで観ていると、トラップする瞬間やキックする瞬間に「ミスしたらどうしよう…」とびびっているんじゃないかと思ってしまうのです。
そんな縮こまったプレーをしていたら、どんなに技術があってもミスしてしまいます。

自分は、難しいボールをトラップする時、「当たり前に」「簡単に」「さりげなく」止めたように見せる「努力(悪あがき)?」をします。
相手チームの選手に、「コイツ、ボールを止めるだけなのに必死じゃん!」と思われたくないからです。
一度、相手になめられたら精神的に上に立たれてしまいます。
そうなると、プレーにも影響するし、何よりも、相手になめられるのは自分が納得いきません。

でも、そうやって強がる事も必要だと思います。
「こんなの簡単だよ~!」と強がってトラップすると、結構上手くトラップ出来たりしてしまうものです。
仮にミスしてしまったとしても、堂々とミスしていれば相手は取りに来ていなかったりもします。
トラップ前に、ものすごい余裕を見せていたので、相手もまさかトラップミスするとは思わなかったのかもしれません。
何が言いたいかというと、もっと堂々と図々しくプレーして欲しいという事です。
それだけの技術は持っているのに、自分で自分を「下手そう」に見せてしまっているのはもったいないと、本当に思うのです。

もちろん、ミスはあります。
小学生じゃない様な小学生の純一もミスります。
トラップが抜群に上手い直途もトラップを失敗します。
偉そうにしているコーチ達も、しょっちゅうミスをします。
イタリアで活躍中(?)のナカータだって、ミスはするのです。
でも、上手いヤツらは、堂々とミスをするのです。

みんなも、もっと堂々とミスをしようじゃありませんか!
ミスをしたら「イヤ~、1000回に1回のミスが出ちゃったなぁ…」くらいの態度をとってしまおうじゃありませんか。
それが5~6回続いたって構いません。
誰だってミスをするですから…

思うに、今の6年生は優しい良い子達がメンバーの大半を占めている様な気がします。
だからこそ、遠慮がちであったり、プレーに優しさが見え隠れしてしまうのでしょう。
優しい事は良い事です。
ゆずり合いの精神も美しい。
でも、それだけではダメなんです。
サッカーの試合で勝ちたいからとか、良い選手になりたいからだけではなく、1度や2度の失敗にめげない強さや、図々しさをもっている事は、人間的な魅力としても必要な事だと思います。

「イヤ~、また失敗しちゃった!」と表向きは堂々と…
そして、気持ちの中では思い切り悔しがって、同じミスをくり返さない様に努力する。
この繰り返しが本当の「自信」を作ると思います。
それまでは、嘘でも良いから図々しく振る舞おう!
そうすれば…あら不思議!
「オレって…イケてるかも?」となる事、間違いなし!

2004年9月20日月曜日

中野区春季大会・3年生

1敗1分けで迎えた予選リーグ最終戦。
ワイルドカードでの出場の可能性が全くないわけではありませんが、決勝トーナメントへの進出はほぼ不可能…
それでも、出来る限りの事をしなければいけません。
出来る限りの事、それは出来る限り多くの得点を奪い、勝ち点「3」をとる事です。

朝練が終わり、桃二の後かたづけなどをマーシー&☆に任せて、自転車で一路多田小へ。
多田小へは自転車を停められないため、近くの公園に自転車を止めようとしたところへ、バイクで移動してきたマーシー&☆…
こんなに汗かいて自転車をこいできたのに…

ということで、キックオフ予定の10:30を10分ほど過ぎて、コーチ陣が全員集合しました。
多田小の校舎裏で、しんやまのUコーチと会った時、「つばさ、勝ってるよ!」との情報を得ましたが、それはガセ情報…
たしかに、相手チームのゴールネットを揺さぶったようですが、それはオフサイドの判定で、ゴールは認められておらず、前半を0-0で戦っているところでした。

観ていた時間は少なかったのですが、前半の印象は「悪くない」という感じでした。
「良いねぇ!」と手放しに喜ぶほどではありませんが、「ちょっとマズイなぁ…」と下を向いてしまうほどでもありません。
1点入れば、もっと勢いが出てくるだろうという感じで試合を観ていたら、あっという間に前半が終わりました。

ベンチスタートの7名を入れ替えて、後半がスタートしました。
チーム内で、密かにライバル意識を持っているという噂の、ゆうごとかずまさが点を取り合って、つばさに勢いをつけます。
また、たくみもゴール前で落ち着いて相手をかわして、ボールを流し込みました。
終わってみれば、6-0の大勝。

内容に目を向ければ、課題は色々とあります。
でも、とりあえずは「勝った!」という事が、3年生チームにとっては大きなエネルギーとなったのではないでしょうか?
2年生の時の大会では、春が2敗1分け。
2チームエントリーで臨んだ秋の大会では、両チーム合わせて1勝2敗…
低学年の頃はなかなか勝てないのが伝統(?)となりつつあるつばさではありますが、試合で「勝つ」という経験は、チームのメンバー一人ひとりに力を与えてくれます。

低学年の時の、最大のテーマは「サッカーが好き!」と言わせる事。
技術的な事は、その動機がハッキリとしていなければ、伸びないと思っています。
水曜日の練習が90分、金曜日が60分、日曜日が90分で、合計240分。
週に4時間の練習時間ですが、チームとしての練習時間なので、ボールにさわっている時間はもっと少ないはずです。
この時間だけで、技術が伸びるのは奇跡に近い事だと思います。
つばさの練習時間以外に、どれだけボールを触っているかどうかが、ボールコントロール技術に反映されるものだと思います。

しかし、義務的な気持ちで長時間ボールにさわっていても、あまり意味がないと思いますし、何より「苦痛」を感じてしまうようでは困ります。
心の底から「サッカーが好きだ!」と思える事が、技術の上達には欠かせないと思います。
しかし、その「気持ち」の部分に関しては、大人が操作する事は出来ません。
むしろ、大人の思いとは反対の方向に向いてしまう事がほとんどなのではないでしょうか?

子ども達の心が動くきっかけは、ほんとうに些細な事だったりします。
試合で勝ったとか、活躍した、点を取ったといった事以外にも、上手いと思っているヤツから一度だけボールを取ったとか、(なんでもない)自分のプレーを仲間達からほめられたなんて事がきっかけでサッカーにハマル事も良くあります。

今回の試合でも、勝敗の結果、試合中の各自のプレー、仲間達の声、周りの大人達の反応…色々な要素が子ども達に影響を与えたと思います。
少しでも多くの子ども達に、良い影響を与えられた事を祈るばかりです。(こればかりは、大人の思い通りにはいきません)
試合で「勝つ」という事もそうですが、練習中でも「できた!」とか「やった!」という経験を多く積む(積ませる)事が、この年代の子ども達には大切だと思います。

何事も土台(基礎)が大切。
それは、技術的なものではなく、メンタル的なもの。
サッカーに対する意識が高くなるよう、われわれは手をかえ、品をかえ…
土台作りが終われば、後は子ども達が勝手に肉付けをしていくようになるでしょう。

2004年9月19日日曜日

ジュニア大会6ブロック予選・1回戦

4年生にとって、初のブロック大会となるジュニア大会。
ブロック大会が中野区の区大会と違うところは、交代選手が5名までと定められている点です。
11人制の場合であれば、試合に出る事の出来る選手は16名という事になります。
今年のジュニア大会は、11人制のサッカーではなく、8人制で実施される事となり、交代枠は8名という事になりました。
当然ですが、中野区外のチームとの対戦があるという事や、上位3位までに入賞すれば、さらに上の大会に出場できるという点も、区大会とは異なります。

さて、試合が始まる前に、子ども達を集めて最初に言ったのは「この試合は、特別な試合なんだ」という事です。
何が特別かというと、他区のチームと対戦するからでもなく、3位までに入れば上の大会に出れるからでもない。
この試合には、出られない選手が存在するという事が特別なのだといいました。

中野区大会では、交代枠が9名、つまり、1試合に20名の出場が認められています。
そして、つばさでは、試合会場にきている選手は、特別な事(体調を崩したり、著しく常軌を脱した行動をした?場合など)がない限り、全員が試合に出場します。
(中には勘違いしている人もいるみたいですが、『試合には全員を出場させる』という約束事はつばさにはありません。)

これは、つばさの目指すところが、勝負「だけ」ではなく、サッカーを通して子ども達の成長を見守るという事に重きを置いているからです。
試合に全く出場できずに、サッカーが好きになる(それも大好きになる)事は難しいと思います。
また、技術的にも精神的にも、試合経験は少ないよりも多い方が良いに決まっています。
ということで、練習試合はもちろんですが、中野区の公式戦や招待試合などでも、ほとんどの試合ではその場に来ている全員を出場させています。

しかし、この方法には大きな弱点があるのです。
それは、「何の努力もしなくても試合には自動的に出場できる」という事です。
勝利を目指して、日々努力を重ねる子もいれば、つばさの練習時間以外では、全くボールにふれない子…
それでも、ピッチに立つ時間は、ほぼ同じなのです。
技術的にも、モチベーションも低いレベルにある選手を大切にしているといえば聞こえは良いのですが、それが過保護になってしまうことは避けなければなりません。

そこで、年に数回のブロック大会は、子ども達に対する「カンフル剤」のような意味も込めて、その時点でのベストメンバーでいくと伝えてあります。
交代枠を1つも使わない可能性もあるし、今回の4年生に関しては、19名中11名が試合に出られないかもしれないという事は、合宿で話しました。

試合会場に行ったのに、試合に出ないで帰る。
はじめてこの経験をする子ども達は、その差こそあれ、それなりのショックを受ける事になります。
中には、「(交通費の)●●円も使って、これかよ!」と毒づく子もいます。
これをきっかけに、つばさの練習以外でも自主的にボールを蹴るようになる子もいます。
また、これを機に、サッカー熱が一気に冷め、退会を検討したなどという話も聞いた事があります。

全員がこちらの思惑通りには動かない事は、予め了解済みです。
目的は、「刺激」であり「経験」なのです。
「良い思い出」や「良い経験」ばかりをして、子ども時代を過ごす事が良いかと聞かれれば、自分は「ノー!」と答えるでしょう。
時には、ひどく落ち込むような「悪い経験」をする事も、子どもの成長には必要なのだと思っています。
今回の「経験」は、4年生にどの様な影響を与えたかは、今の段階では分かりません。
今後の子ども達の様子を見守りつつ、その都度対応していく事になると思います。

さて、反対に試合に出る子達に対しては、「お前らは『代表』なんだ、試合に出れなくて、ベンチで悔しい思いをしている仲間の思いも背負って戦わないとダメだぞ!」という話しをしました。
技術やモチベーションに差はあっても、「つばさ」というチームでともにサッカーをする「仲間」を大切に思う気持ちをもってもらいたいものです。
もちろん、自分のためにも力を出し切って試合をして欲しいのですが、今回はこのような形で試合に出る事の、そしてチームスポーツで自分がプレーする時の「責任」を背負わせました。

さて、試合の方は残念ながら1-2で落としてしまいました。
全くかなわないという相手かというと、そういう印象は受けませんでしたが、なによりも、つばさの試合運びが非常にお粗末でした。
なんといってもシュート数。
おそらく1本だけでしょう。
まぁ、その1本で1ゴールを奪ったのですから、何とも言えないのですが…

試合前に与えた「責任」というプレッシャーが悪い方へ影響したのかもしれません。
グランドが、いつものハードコートではなく、土と芝(雑草?)というのも影響していたでしょう。
力を出し切ったけど負けてしまった、という試合ではなかったように思えたのが残念でした。

今後は、ある程度ポジションを決めて試合に臨む事になります。(未だにポジションを決めずに試合をするなんて…と言われそうですが)
そうする事によって、サッカーの形が少しずつ出来てくると思います。
でも、大切なのはサッカーに対する思いであり、自分のプレーに責任を持つという事だと思います。
そういった意味で、試合に出た選手も、ベンチで悔しい思いをした選手も、何かを感じ取って欲しいと思います。

2004年9月11日土曜日

さわやか杯6ブロック予選・2回戦

ブロック大会なのに、1・2回戦は中野区のチームと対戦。
しかも、2回戦で対戦するWSCには連敗中…
その中野区大会(?)を勝ち上がっても、前回のブロック大会で苦杯をなめさせられた城北アスカと対戦する可能性もアリと、素晴らしい(?)対戦カードを実現させた自分のゴッドハンドを恨みつつも、中野九中から星山カーで西が丘へ向かいました。

試合は、前半開始早々に1点を奪いましたが、内容としてはイマイチの展開…
時間の流れが非常に遅く感じてしまいます。
リードしている時は、だいたいこんなモンなのですが、今日は一段と時間の流れが遅く感じてしまうのです。
それほど、内容が悪かったという事でしょう。
どんな形ででも追加点を…と祈りを込めてみていましたが、逆に1点を奪われてしまいました。

そして、1-1のまま前半終了。
どことなく遠慮がちなプレーが非常に目立つため、「人任せにするな!」「失敗しても良いから、自分のプレーを精一杯してこい!」と、精神的な面だけを強調して後半へ送り出しました。

後半開始早々、こんどは相手にゴールを奪われてしまいました。
それも、立て続けに2点…

はっきりいって、ここまでの試合展開を考えると、この2点は非常にイタイ。
でも、可能性がないわけではありません。
勝利を目指して、残りの15分を目一杯戦うしかないのです。
純一が大人気ない(あ、アイツはまだ子どもか…)シュートをゴールに突き刺し、試合時間も10分を残して1点を返し、反撃ののろしを上げるもそのまま力尽き、2-3で最後のブロック大会を終えました。

ガックリと肩を落とし、涙を見せながら戻ってくる子ども達…
こんな姿を見ると、コーチは自分の力不足を痛感し、自分を信じて付いてきてくれた子ども達に対して申し訳ない気持ちで一杯になるのです…
でも、だからこそ何とかしてやろうという気持ちにもなります。
この6年生に関して言えば、残りの半年間をどう過ごさせるかという事を…

今日のゲームもそうでしたが、ここ1年くらいのゲームを見ると、数名の選手に「おんぶにだっこ」という感じの試合が多く見られました。
たしかに高い能力を持った選手が数名いるのは事実です。
でも、その数名に頼っている様では試合には勝てないし、なによりサッカーにはならないのです。
そして、チーム力を上げる事は絶対に出来ないのです。

サッカーの能力には差があります。
そんな事は当たり前の事です。
だからどうだというのか?
サッカーが上手いヤツは偉いのか?
今の6年生には、そんな雰囲気さえ感じさせてしまいます。
上手いヤツからのパスが多少ずれていても、悪くないはずの方の選手が「ごめん、ごめん」と謝ったり、実際に口にはしなくてもそのような雰囲気がある様な気がします。
上手いヤツに対しても「オイ、パスが強いよ!」とか「こっちも見てくれよ!」とかの要求が出来る様にならなければダメだと思います。
今は、「僕たち、あなた達のジャマにならないようにします…」といった感じの、ものすごく消極的なプレーが目立って仕方がありません。

そうはいっても、そう簡単な事ではないという事は分かっています。
でも、そうしなければいけないのです。
チーム内でプレーの質をお互いに指摘し合う雰囲気がなければ、そのチームは死んでいるも同然です。
そこには、サッカーの実力は関係ありません。
もし、そこに遠慮を感じているのであれば、その必要は全くありません。
実力が全く同じになる事なんて不可能なのですから。

もし、仮に遠慮を感じる事があるとすれば、「オレ、あんまり努力してないからな…」という場合だけでしょう。
「アイツ、つばさの練習以外でもいろんな所でボール蹴って練習してる…でも、オレはつばさ以外では全くボール触ってないし…そんなオレが偉そうな事言えないよ。」というのであれば、納得も出来ます。
逆に、「お前何でそんなに偉そうに出来るの?」と、私自身も内心そう思うかもしれません。

それでも…もう一度言います。
チーム内で、サッカーの実力が違っても、お互いは仲間であり、協力し合ったり、時には言い合ったりしながら戦わなければいけないのです。
お互いがもっと自分を主張し合わなければいけません。
そこには、サッカーの実力は関係ありません。
「オレ、努力してないから…」という選手は、チームに貢献するために頑張って自分の実力を上げる努力をするべきです。
それによって、能力が上がったかどうかは問題ではありません。
大切なのは前に進もうとあがく事です。

どんな事でも、前進するのは簡単ではありません。
しかし、もがきつづける努力をしなければ何も生まれてきません。
また、何かを生み出す事が出来ないとしても、そのもがきつづける事で見えてくるものが必ずあります。

残りの半年間、もうブロック大会はありませんが、つばさとしての活動はここからが本番です。
卒団をどの様にむかえるかは、この半年にかかっていると思います。
そして、それが6年生みんなの今後にも大きな影響を与えるはずだとも思っています。
精神的にも、大人の領域に近づいてきた6年生であれば、理解できるはずだと思っています。

残された時間は半年のみ…
出来る限りの事をして卒団をむかえよう!

2004年9月5日日曜日

さわやか杯6ブロック予選・1回戦

前日からの大雨で、朝練も3年生の区大会も中止。
それでも、ブロック大会は中止になりません。
今まで、中止になった記憶はありません。
それは、雨が降っても使わせてくれるグランドが他区(板橋・北など)にはあるという事。
まともにサッカーが出来る広さのグランドを確保する事すらままならない、中野区でサッカーをする立場からすると、うらやましい限り…
(この話題にふれてしまうと、延々とグチが続いてしまいそうなので、あえて止めておきますが…)

ところが、今回の雨はその強いグランドにも大打撃を与えるほどだったのです。
4面を利用して、22試合を一気に消化する予定だったのが、グランド状態不良につき、2面のみが試合で使えるという事になり、試合時間も大幅に変更となりました。
当初の予定では、11:00キックオフだったのですが、以上の様な理由で試合開始が13:30迄ずれ込む事になってしまいました。
子ども達は、すでに浮間舟渡の駅に到着しているとの事。
とりあえず、グランドで3時間半を過ごす事になりました…

コーチ達は、1試合目に審判が割り当てられていたので、9:00過ぎには現地に着いていました。(結局、1試合目の審判はやらないでイイ事になったけど…)
そこで、2試合目のハーフタイムの時にちょっとグランドの中に入ってグランド状態をチェックしてみました。(しんやまがアップしていたところにそ~っと…)
雑草の根深さというか、所々にある大きな段差は相変わらずですが、その強い雑草が生えているところは、全くぬかるんでいない!
土手側の草の生えていない土の部分はひどい泥んこ状態だが、思ったよりも状態は良い。
とはいっても、この草の伸び方は歓迎は出来ないんですけど…

ところが…
試合まで3時間以上もあると、何が起こるか分からないモンです。
再び雨が降ってきたんです。
それも、シトシトなんて情緒深いモノではなく、ドサーッと降ってきました。
徐々に水たまりがなくなりかけていた土の部分も、みるみるうちに大きな池に大変身…
先ほどのチェックでは、それほどぬかるんでいなかったグランドも、どうなる事やら…

雨も大分弱くなってきたところで、ウォーミングアップ開始。
短いダッシュを数本して、気合いも徐々に入れて…
となるはずでしたが、そこら中に出来ている水たまりに、6年生は大はしゃぎ。
キャーキャー言いながら、水たまりに突っ込んでいきます。
「オイオイ、お前ら試合前の雰囲気じゃねぇぞ…」という思いを持ちつつも、「これだけ泥だらけになれるなら、多少ひどいグランド状態でも大丈夫かな?」とも思いました。

泥だらけのグランドでサッカーをする時には、2つの問題があります。
1つは、ボールコントロールが思う様に出来ない事。
これは、ボールコントロールなんてモンじゃない場合もあります。
ひどい時には、サッカーになりませんし、泥に足をとられて走る事すらままならないこともあります。
もうひとつは、汚れを気にしてムリをしない選手がいる事です。
そんなバカなと思うかもしれません。
とうぜん、プロの世界やそれなりに高いレベルであれば、汚れる事よりも個々のプライドというものが勝ります。
しかし、小学生レベルの試合では、汚れるのを嫌って水たまりのボールを取りに行かなかったり、ボールや相手を追いかける時にでも、足元を気にしながらヒョイヒョイという感じで走るなんて事は、しょっちゅうあります。
でも、アップの様子を見ている限り、2つ目の心配は大丈夫だなという気になりました。(試合に向けての気持ちを高めるという点では『?』ですが…)

そして、試合に入ります。
グランドは、直前に降った雨の影響をそれほど受けておらず、最初にチェックした時とほぼ同じ状態。
これなら、戦い方を変えなくとも、普段通りのサッカーを要求する事が出来ます。(もちろん、パスをいつもよりも強めにとかといった事はありますが、根本的な部分は変更しないで大丈夫という事)

前回の区大会で見た時は、ポジショニングのバランスが悪かった事と、「オレが何とかしてやるんだ…」という気持ちが悪い方に出てしまっていたのですが、この日の試合ではその部分は良くなっていました。
サイドを変える意識もよく見れたし、前の試合と比べるとチーム全体でボールを動かしていた印象を受けました。
バランスに関しては、攻撃時間が長かったので、悪い面が出なかっただけかもしれませんが…

「お前、小学生なの?」という声がアチコチから聞こえてきそうな、純一の身体能力を活かしたゴールが4発と梅ちゃんがこぼれ球を押し込んで合計5点。
大量得点で勝利でき、それはそれで素晴らしかったのですが、内容に目を向けると、中盤でゲームをコントロールしていた直途の働きが素晴らしかったと思います。
勝負所ではタテに突破を仕掛けたり、トップの選手へスルーパスを通す。
タテへの勝負が難しいと判断すれば、サイドを変えて攻撃の形を作り直す。
試合後の様子を見ると、本人に自覚はないのかもしれませんが、この試合でチームとゲームをコントロールしていたのは、直途だったと思います。

そのゲームをコントロールするという意識は、全員が持って欲しいものなのです。
チームとしてキープしているボールを、ゴール方向へ勝負を仕掛けるのか、一旦スペースへ逃がすのか…
それは、チーム全員が考えなければいけない事です。
もちろん、その中心となる選手はいますが、全員が「頭でも」攻撃を組み立てる意識を持って欲しいと思います。

その点で見ると、まだまだ人任せな選手が多いと思います。
もっともっとボール回しに積極的に参加して欲しいのです。
今は、「あ、パスが来た!」と気付いてから動き出すため、行動が1つ2つ遅れてしまっています。
ゴール前でチャンスを創り出すのは、キーパーを含めた11人がどの様にボールを動かしたかによります。
適当にゴール前に放り込んだボールは、それなりのチャンスでしかありませんし、チャンスとすら呼べない事もあります。
しかしながら、相手のスキを素早く見つけ、そこを的確に突く事が出来れば、ゴール前でのチャンスは大きなものになるはずです。
そのチャンスを上手く突く事が出来ないと判断すれば、別のチャンスを求めて攻撃を作り直す…この繰り返しです。

しかし、そのチャンスを作るのは、1人、2人の限られた選手達ではありません。
チーム全体でどうボールを動かしたかに関係します。
もちろん、ボールを奪ってからシュートにいたるまで、一度もボールを触らない選手はいます。
しかし、逆サイドで広くポジションをとる事で相手のバランスを崩したり、出ないかもしれないパスをもらおうとする動きが、相手ディフェンスに的を絞らせないという仕事もしているのです。
そして、そのような選手達がいなければ、良いチャンスは作れないのです。


だからこそ、もっともっとボールを要求して欲しいと思います。
もっともっと頭の中でもサッカーをして欲しいと思います。
ボールがない時に無駄(本当は無駄じゃない)な動きをたくさんする。
これこそがチームに貢献する選手であり、本当に評価される選手だと思います。
チーム全員が脇役になる事を何とも思わなくなる。
その意識を持てる様になれば、チームの力は何倍にもなるでしょう。
そして、その脇役達は、脇役で終わらず、みんな輝くはずです。
主役(得点者?)は、たまたまシュートチャンスをもらった選手です。
最初から決まった主役は、サッカーではいないのです。

目指せ、名脇役!

2004年7月19日月曜日

会長杯・6年生

朝練が終わったのが、10:30。
この日、唯一の試合である、6年生の鷺宮戦のキックオフは、15:50…
東久留米と西新井という遠方のコーチを抱えるつばさコーチ陣は、ちょっと帰宅して一休み…とはいかず、みんな揃って(道連れにして?)2日続きのファミレスタイム!
今日は、富士見中前のジョナサンまで遠征して4時間近くを過ごしました。

試合開始は、夕方の4時近く…
いくらか涼しくなるかと思いきや、ことごとく期待を裏切ってくれます…
やっぱり暑いじゃん…

さて、6年生。
5年生の頃は、良いリズムでボールを動かす、キレイなサッカーをするという印象でしたが、ここ最近は上手くボールが動かず、ちょっと消化不良気味な感があります。
とは言っても、自分も6年生の試合を見るのは久しぶり…
良い意味で期待を裏切って欲しいものです。

ところが、試合が始まると、悪い方で予想通りとなってしまいました。
前半の立ち上がりから、ボールが落ち着きません…
それどころか、ディフェンスラインもバタバタとしています。
浮き球をかぶって(『かぶる』とは落下地点を見誤って、ボールを処理できずに頭を越されてしまう事)しまったり、マークすべき相手選手に簡単にウラに走り込まれたりして、開始直後はピンチの連続でした。

しかし、幸いな事に、前半のディフェンスラインは、我々のベンチの真正面。
コーチ達が、ベンチからアレコレ指示を出して、修正を試みます。
その結果、何とかディフェンスラインは落ち着きを取り戻したものの、ボールが落ち着かないのは相変わらず…
ボールをつなげない、拾えないという事で、中盤での争いは相手にペースをつかまれてしまいました。

中盤でボールを拾うという事は、サッカーでは非常に大切な事です。
ボールを持ってから、華麗なドリブルをしたり、絶妙なタイミングでラストパスを出したりする事ばかりに目を奪われがちですが、「中盤のルーズボールを制するものは、サッカーを制する」なのです。(そんな格言はありませんが…)

ルーズボールを拾えない理由はいくつかありますが、自分が見ていて一番感じたのは、バランスの悪さでした。
オフトが、初の日本代表外国人監督になったときに使ったキーワードがいくつかあります。
「トライアングル」「アイコンタクト」「スモールフィールド」…その中の一つに「スリーライン」というものがありました。
オフトの指導は、極々基本的な事を徹底させたので、当初、プライドの高い選手達は反発したといいます。
しかし、自分は、この時期を境に日本代表のサッカーが激変したことを今でも覚えています。
むしろ、精神的に強いというか、我の強いメンバーが集まっていた上で、結束していた当時の方が強かったのではないかとすら錯覚してしまうほどです。

話しが横道にそれましたが、その「スリーライン」が「ツーライン」に近い形になってしまっていたのです。
「スリーライン」とは、DF・MF・FWの3本のラインをほぼ等間隔に形成するという事です。
別に、DFの選手が前線に飛び出してFWの前まで行っても良いのですが、チーム全体として、DF・MF・FWのバランスを保つ事が必要です。
この日の6年生は、MFのラインが非常に高い位置にありました。
したがって、DFラインの前にはスペースが生まれてしまい、相手チームにそこで自由に仕事をされてしまいました。

このスペースは、「バイタルエリア」とも呼ばれ、最近のサッカーでは最も重要とされるエリアです。
ここでは、相手にボールを持たせない、持たせたとしてもフリーな状態で前を向かせないようにしなければなりません。
それが出来ていなかった事が、この日の悪い内容の原因の一つだったと思います。
5年生の所にも書きましたが、「ポジショニング」を正しく取るという事は、非常に大切な事です。
それは、サッカー選手にとっては、「キック」「トラップ」「ドリブル」と同じく基本的な「技術」なのです。
どんなに高いボールコントロール技術を持っていても、バカにはサッカーは出来ないという事を卒業までに理解させたいものです。

さて、ボールを「つなぐ」という事に関しては、簡単に言うと「持ちすぎ」が原因だったと思います。
自分の中では、ボールを持った選手が考えるのは「アタック」するのか「やめる」のかの判断しかないと思っています。
その判断が正確(何を以て正確かというところが難しいのですが…)で早い選手が良い選手だという事です。
「アタック」出来ると思ったら、素早く仕掛ける。
「アタック」出来ないと思ったら、「アタック」出来そうな味方にボールを預け、自分はポジションを取り直す。
この判断を早くしなければいけないのです。

この日の試合を見ていると、「アタック」出来ないと思っていても、ズルズルと未練を残してボールを持ち続け、結局囲まれてボールを奪われてしまう場面が何回かありました。
ボールを持った選手は、この判断を早くして、ボールを動かさなければなりません。
同時に、ボールを持っていない選手達は、ボールを引き出さなければならないのです。
パスは出してもらうものではなく、出させるものなのです。
動きで、声で、信頼関係で…

今の6年生には、それが十分に出来ると思います。
実際、後半の立ち上がりには、早いボール回しからシュートチャンスを迎える事もありました。
しかし、試合が進むにつれ、バタバタとした展開に逆戻りになってしまいました。
つばさのサッカーは、自分たちのスタイルは何なのか、今までやってきたサッカーに自信を持って、堂々とボールをさばいて欲しいと思います。
相手が必死にボールを追い回しても、ガンガンクリアしてきても、丁寧にコントロールして、しっかり逃がす。
逃がした先からチャンスを作る…
今は、相手のペースにはまってしまう事が多いようですが、潜在的な能力は備わっているはずです。

一人ひとりが自信を持って、試合に臨める様に頑張りましょう!

2004年7月18日日曜日

中野区春季大会・4年生

昨日(7/20)も今日(7/21)も暑いけど、この日(7/18)も暑かった!
それでも、昨日・今日の様に40℃近くまで気温が上昇しなかったのは、せめてもの救いといったところでしょうか。
ていうか、そんな中でサッカーをしたら、冗談抜きに危険なんじゃないかと思える様な最近の暑さ(熱さ?)…
朝練を終え、試合までの間、サンデーサンで一息つき、休憩は十分!
と思ったのですが、会場の大和小に向かうまでの間で、太陽にやられ、熱さでグッタリしてしまいました。

会場に着くと、すでに白い軍団(この日は予め白のユニフォームでいくと決めていました)が目に入りました。
体育館前の、日陰が多いナイスなポジションをキープ(試合当番のお母さん方、ありがとうございます!)していた事もあってか(というよりも、いつも?)子ども達は、グッタリした様子もなく、あちこちで動き回っていました。

とはいっても、あまり早くアップを始めて、消耗させてしまっては何にもならないので、しばらくは放し飼い状態…
さすがの暑さに、こちらが何も言わなくても、子ども達も日陰を中心に過ごしていました。
同時に自分も再充電…
なぜなら、子ども達に「暑くても、勝ちたいのなら走らなければダメだ!」と言うのですから、スイッチを入れたら最後、試合が終わるまでは弱いところを見せられないのです。
弛緩する時は、十分にゆるめる…
ギリギリまで…

ということで、1つ前のゲームが始まったところで集合をかけて、試合前のミーティングを始めます。
1番強調した事は、精神的な面。
「今日は暑い!コーチもグッタリだ。でも、暑くても闘わなければならない。暑いなぁと思って試合にはいると、良い結果はついてこない。暑いという気持ちよりも、勝つという気持ちを強く持つ事!」というようなこと言いました。
そして、「でも、頭が痛くなったり、気持ち悪くなるかもしれないから、その時は頑張らないで、すぐにコーチに言う様に。そうでないなら、死にものぐるいで走れ!」と付け足しました。

サッカー面では、今まで通りの事。
・簡単にクリアさせない
・前線に残っている相手選手に気を配る
・広い方へボールを動かす
といった所でしょうか、一つ付け加えた事は、「ドリブルよりもパスの方がボールを大きく、そして早く動かせるから、パスを使える時にはパスを使おう!」と伝えました。

前半は、朝練に来ていた11名を送り出しました。
あまりの暑さに、朝練を休んで試合に備えるつもりでいた子(親?)もいるかもしれませんが、朝練に来た子を優先して出しました。(朝練に来たのも、ちょうど11人だったし…)
ベンチ周りには日陰は全くナシ…
ベンチスタートの子ども達をココに座らせて15分を過ごさせるほどの勇気は、自分にはありません。
少し離れたところに子ども達を移動させて自分はベンチに座りました。
サウナ!?と思う様な、何とも言えない不快感…
この中でサッカーをするのは、大変です…

さて、試合の方は、前半開始早々に決定的チャンスを迎えましたが、ゴールならず…
これを含めて、計3回ほどの決定的チャンスを逃し、無得点で終わります。
しかし、ゲーム内容は、ほとんど押し込まれている状態でした。
前半15分のうち、12~13分間は、つばさ陣内でサッカーをしていたのではないでしょうか?
理由は簡単、ゲーム前に伝えていた「簡単にクリアさせない」という事が出来ず、つばさが失ったボールは、簡単につばさゴール前に放り込まれてきたのでした。
最後の最後で何とか踏ん張ってゴールは割らせなかったものの、中盤のルーズボールもほとんど相手にとられてしまっていました。
こうなっては、サンドバック状態です。
相手の攻撃を、ひたすら受けるのみ…
後半の課題は、誰が見ても明らかでした。

ハーフタイムになり、子ども達がベンチに戻ってきます。
どの子にも、疲労の色が濃く現れています。
そう、別にサボっているわけではなく、子ども達も精一杯頑張っているのです。
しかし、あえてムチを打ちます。
簡単にクリアされている事と、中盤でのルーズボールが全く拾えていない事を伝えます。
そして、「あと1歩!今よりも、もうちょっと頑張って足を出せ!暑いのは分かるけど、勝ちたいのなら根性を出すしかない!」というようなことを言って、ベンチスタートのメンバーと入れ替えて、送り出しました。

そして、後半…
こちらの期待に応えてくれ、子ども達は体力を振り絞り、ボールを追いかけました。
クリアもされはしますが、少しでも間合いを詰めようとプレッシャーをかけ、大きなクリアにはなりませんでした。
また、中盤のルーズボールも拾える様になり、つばさの攻撃する時間が増えてきました。

攻撃時間が増えていく中で、つばさの4年生達は、たいして教えてもいないパスを使い、ボールをスペースへ逃がしながら攻撃を仕掛けます。
ビッグチャンスも何回もありました。
しかし、ゴールを割る事は出来ませんでした。
すでに予選リーグで本郷に負けているため、ワイルドカードでの決勝トーナメントを勝ち取るには、この試合で勝つ事が最低条件です。
できれば、大量得点を取って勝ちたいのですが、そんな事を言っている余裕はありません。
何とか1点を…

(シュートチャンス)「来たっ!!」…(外す)「あーっ!!」と頭を抱える事、数回…
試合時間も残り2分程となった時に、ゴール正面15m程の所で左サイドからグランダーのパスをフリーで受けたもくちゃんがしっかりとキーパーを見て、落ち着いてゴールを決めました。
そして、そのまま試合終了…
なんとか勝ち点3を獲得し、後は他のチームの結果待ちとなります。

とんでもない暑さの中、子ども達はよく頑張ったと思います。
たとえ、最後までゴールを奪えず、引き分けで終わったとしても、またカウンターで1点を失い、ゲームを落としたとしても、「良くやった!」と言ったと思います。
しかし、それでも1点を奪って「勝った」という事はチームにとって大きな財産になったのではないでしょうか。
例え、決勝トーナメント行きを逃したとしても…

7月21日現在、4年生の予選リーグは残り1試合。
GroupAのしんやまA─しんやまB。
しんやまBが5点差以上つけて勝つと、決勝トーナメントは消えてしまいます…

試合後、子ども達には「気持ち」の大切さを伝えました。
まず、「気持ち」。
その上に、技術や判断力をつける事。
「気持ち」さえあればという「根性論」や「精神論」は好きではありませんが、「気持ち」の入っていない選手は最低だと思っています。
高い技術と判断力を持つ闘う集団…そんなチームになって欲しいものです。

試合後のグランド整備(最終試合のチームがブラシ掛けをする)を、つばさのコーチ達(星山・鈴木・樋口・笹谷)が代わってやってくれていたことに気付いた4年生はいたでしょうか?
そういったことに、素直に感謝する気持ちを持って欲しいと感じると同時に、このような仕事を面倒くさがらずにやる様になって欲しいと思います。
どんな事(たとえばブラシ掛け)にも、手を抜こう、さぼろうとする選手は、このような暑さの中の試合では、間違いなく手を抜く選手になってしまうと思っています。
自分では、サッカーの時には精一杯やっているつもりでも、心の奥底でサボろうという意識が働くものだと…

「気持ち」「人間性」という土台をしっかりしたものにして、その上に「技術」「判断力」「体力」を積み重ねていきたいものです。(自分もです…ハイ)

2004年6月27日日曜日

中野区春季大会・5年生

久しぶりに見る5年生の(というよりも、どの学年も雨続きで試合をしていない…)試合。
前回見たのは、5月23日の区大会でしたが、その時はAチームの後半だけ。
今日は、AB両チームとも、フルに観戦できます。
どう変わったか楽しみな所です…

さて、試合の感想をABに分けて書こうかとも思ったのですが、それほど違いはないのでまとめて書きたいと思います。
そう、そんなに違いはないのです。
Bチームは2勝、Aチームは2敗と戦績こそ大きな違いがありますが、試合内容はそんなに変わりません。
対戦相手との力関係がその戦績の差となっていると思われます。
Aチームは、リーグ予選の最終戦となる鷺宮戦で意地を見せたいところです。

試合を見て感じた事は2つ。
・サッカーの基本であるマークの付き方が分かっているのか、いないのか…出来ていない
・味方選手がボールを持った時にパスを受ける意識が低い(パスの出し手にも意図が感じられない)

まず、マークの付き方について。
これは、何度も説明していると思いますが、それが試合では出来ていない。
分かっているのに、「ちょっと位大丈夫でしょ!」とサボっているのか、試合になった途端に頭の中から飛んでしまっているのかは分かりません。
しかし、いくら「分かっている!」と言っても、実際に試合で出来ていなければ意味がありません。
単なるサッカーオタクになりたいだけならば、それで良いと思いますが、子ども達がなりたいのはサッカー選手。
頭で理解している事(しているのかなぁ?)は、プレーで表現できなければ困ります。

マークの付き方を復習しましょう。
・マークする相手と自ゴールの間に立つ
・相手との距離が近すぎると、簡単に入れ替わってしまう
・相手との距離が遠すぎると、簡単にボールを受けて前を向いてプレーされてしまう
ということで、相手選手のゴール側に立ち、その距離は自分と相手選手の能力(足の速さやボールコントロールのうまさなど)で調整する…これだけです。

重要なのは、相手が攻撃している時には、常にこのポジションを取っていなければいけないという事です。
もちろん、ボールがどこにあるのか、常にボールを視野に入れていなければいけません。
でも、ウマイといわれる選手は、そのボールに目をやった一瞬で視界から隠れてしまうのです。(よく、消える動きといわれる)
だから、出来るだけボールと相手の両方を自分の視野に入れておけるような身体の向きをとるという工夫も必要になります。

そして、もう一つ重要な事は、お互いにマークの確認をし合うという事です。
「オレが10番につくから、ホシンは5番をマーク!」とか、背番号が見えなくても「ヒグチ、そいつについて!マサシはそっちね!」といった指示をコーチからではなく、選手同士で出来るようになりたいものです。

守備時の注意事項は、もっとありますが、一番基本的な「マーク」につくためのポジショニングを理解する事と、それを試合で実行できるようになれば、守備の安定度はグッと増すと思います。

もう一つの課題、ボールを受ける意識について…
というよりも、パスでサッカーを組み立てるという意識が、まだまだ薄いという事と経験が少ない事もあって、ボール保持者の思いつきのパスという感が非常に強いです。
チーム全員が、ある程度のイメージを共有できるようになれば、自然と改善されてくるとは思いますが…
まずは、パスでボールを動かすという意識をもっと強くしたいと思います。

また、今日の水曜練習では、ある程度の基本的な事項を確認させました。
タテ方向が最優先(ゴール→トップ→トップ下…)で、タテ方向へのプレーが出来なければサイドを変える。
極々、当たり前の事なのですが、ボール保持者とパスを受ける選手が同じ意識を持っている事が大切だと思います。
また、そのためのポジショニングというものが良いサッカーが出来るかどうかのキモだとも思います。
その辺は、トレーニングを重ねていく事でしか成長は無いと思います。

ボールを持っていない時こそ、良い選手とそうでない選手との差が出る。
今は、低学年のサッカーから脱皮しかけている状態です。
あせらず、一つひとつの事を、確実にモノにしていきましょう。
もちろん、平行して技術練習も忘れずに…

※参考
釜本談
サッカーが上手くなるコツ?
そんなの簡単ですよ。
毎日、たくさんボールを蹴りゃ良いんですよ。
狙ったところに正確にボールを蹴れる、これが大事です。
ボクなんかは、毎日何時間もボールを蹴ってばっかりいましたよ。
だけど、今の選手達は、その基礎練習の反復をしない。
戦術だかなんだかしらないけど、ボールが蹴れなきゃサッカーなんて出来る訳ナイでしょ!
ピタッと止めて、ピシッと蹴る。
これが出来なきゃ話しにならんでしょ!

ヨハン・クライフ談
サッカー選手にとって、最も重要なのはポジショニングとトラップだ。
それは、今も昔も変わらない。
現在のサッカーは、戦術的に変化して、レベルが上がっているように思われているが、戦術にごまかされて、選手達のポジショニングとトラップのレベルは逆に低下している。

ピタッと止めて、ピシッと蹴る。
そして、常にポジショニングに気をつける…
さぁ、これで君もワールドクラスの仲間入り!

2004年6月20日日曜日

中野区春季大会・2年生

子ども達にとっては、初めての公式戦となる、この大会。
初戦は5月23日に消化していたのですが、それはBチームのみ。
今日の20日が、2年生全体の公式戦デビューという事になります。
ということで、かなり遅くなってしまいましたが、AB両チームの試合を見た感想を書きたいと思います。

基本的に、つばさでは4年生の夏過ぎ頃(これも、決まっている訳ではなく、子ども達の様子を見ながらになります)まで、ポジションを決めません。
また、ボールを「蹴る」(ここで言う『蹴る』とは、なんの意図もなく『蹴る』事で、パスやシュートはもちろんOKだが、ポジションも何もないので、パスなど出来ない。もちろん、ポジションを決めたからといって、2年生にパスをつなぐ事が出来るとは思いませんが…)事を基本的に禁止しているので、ボールを運ぶ方法はドリブルのみとなります。

対する相手チームは…ロングボールを蹴る!蹴る!蹴る!
ベンチの指示も「大きく!」「前へ!」というものがほとんどです。
つばさのベンチは「蹴るな!」「ドリブル!」「突っ込むな!」「広い方へ!」となります。

それが、勝負弱さの原因である事は百も承知なのですが、ドリブルという個人の力で選手の塊をなんとかして欲しいのです。
塊の中に突っ込んで、ドリブルでヒョイ、ヒョイと突破することが出来れば最高ですが、塊を大きく迂回するような「判断力」を持った選手も魅力的です。

2年生というこの時期は、「個人」の力でプレーする、という事で良いのではないかと思います。
というよりも、全員が「オレが!オレが!」とボールを持ったら喜々としてドリブルするようなチームになりたいと思っています。
そして、個々の選手がドリブルでボールを持てるという事が、この後のチーム作りに大きな武器となるのです。

というのも、一人の選手として見た時に、ボールを持てるかどうかというのは非常に重要なファクターとなります。
ボールを正確に強く「蹴れる」事、ボールをイメージ通りに「止める」事がサッカー選手に要求される技術の全てといっても言い過ぎではないと思っていますが、それにプラスしてボールを取られないように「持てる」選手はプレーの幅が広がります。
さらにいえば、相手守備陣を切り裂くような、突破のドリブルが出来る選手は、チーム内で頼られる選手になるでしょう。

ということで、2年生という時期は、チームにとっても選手達にとっても長い選手生活をバラ色にするための大切な準備期間なのです。
この時期に、ただ大きく蹴る事しか覚えず、それでチームが勝つ事で、そのプレーに満足してしまうと、気付いた時には(適当に前に大きく)蹴る事しか出来ない選手になってしまいます。
子ども達に接する大人が気をつけなければいけないのは、例え試合に負けたとしてもしっかりとした方向性を持っているという事だと思います。

試合に勝ちたいから、ドリブルなんかしたらダメだというのではなく、そこに長期的な目標があるかどうかが大切だと思います。
2年生の子ども達にとって、つばさの取っている「ドリブル」が最良の方法かどうかは分かりません。
でも、自分の経験から低学年は「ドリブル」で勝負をすべきだと思っています。

さて、勝負弱いつばさの戦い方ですが、試合に負けても良いかというと、それは全く違います。
試合に勝つための最大限の努力をしなければいけないと思います。
ただ、そのための手段は大いに選ぶ必要があるという事です。

現在、AB両チーム合わせて、1勝4敗という散々な成績です。
「ドリブル」中心よりも、「キック」を多用した方が、勝負強いというのも、自分の経験から分かっていますが、そうしないのには、前述したような理由があります。
しかし、「ドリブル」中心の戦い方でも勝てたのではないか(勝負は水ものですから、断言は出来ませんが)という試合もありました。
特に強く感じた事は、相手ボールに対するディフェンスです。

サッカーはゴールを奪うスポーツです。
攻撃しなければ、勝つ事は出来ません。
また、自分はディフェンス重視の「負けないサッカー」(今、白熱しているユーロでいうとイタリア、ドイツ、スウェーデンなど?あくまでも私見ですが…)は好きではありません。
とことんゴールを目指す攻撃重視の「勝つためのサッカー」(スペイン、フランス、ポルトガル、オランダなど…)をしたいし、させたいと思っています。

では、何故ディフェンスなのか?
答えは簡単です、相手のボールを奪わなければ、攻撃が出来ないからです。
相手のボールを奪わなければ、好きなように攻撃されてしまうからです。
当たり前ですが、攻撃はしたいのですが、攻撃されるのは好きではありません。
しかし、この数試合を見ると、「攻撃されたくてたまらないのでは?」と首を捻りたくなるような場面を多く見ました。

ディフェンスに限らず、サッカーには(サッカーに限らないと思いますが)「気持ち」という要素が非常に大切だと思っています。
自分は根性論者ではないし、どちらかというと精神論には否定的です。
しかし、「気持ち」の入っていない選手は絶対に伸びないし、そのような選手が多いチームは、決して接戦をものに出来ないでしょう。(明らかに力の差がある場合は勝てるでしょう)
残念ながら、今の2年生はそんな状況なのです。

もちろん、子ども達は勝ちたいと思っているでしょう。
でも、その気持ちがそれほど強くないのだと思います。
もしくは、表に出てきていないのかもしれません?
見ていてそう感じるのは、相手のボールを勢いよく取りに行く姿がほとんど見られないからです。
実際にボールを奪えなくても構わないのです。
「絶対にボールを取ってやる!」という気持ちで、相手に向かっていく選手が非常に少なかったのが気になりました。

なぜか?
大方、察しはついています。
それは、つばさの練習方法に原因があるのではないかと…
練習中のミニゲームでは、ボールを2個、3個と入れてプレーさせます。
そのため、ボールを奪われても、他のボールに対象を向ければ良いのです。
ムリしてボールを奪わなくても、待っていれば他のボールが勝手に自分の所に来る事もあります。
ここには、ボールを触りたかったら、何がなんでもボールを奪い取らなければ…という(多くの名選手が育ったという、ストリートサッカーで育つ)「気持ち」は必要はありません。

では、ボールを1個にすればいいのでは?
しかし、サッカーは(というよりも、選手育成は)そう単純ではないと思います。
だからこそ、そう感じながらも複数のボールでゲームをしているのです。

・多くの選手がゲーム中にボールに触る時間を増やしたい
・ただ単に「触る」だけではなく「ドリブル」の時間を増やしたい
・複数のボールの中から、もっとも「オイシイ」ボールを見つける判断力を養う
・単純にゴール(得点)が増え、試合が盛り上がる
などなど、他にもプラス材料は沢山あると思います。

さて、問題は「何がなんでもボールを奪い取る!」という意識を持つ事。
これは、トレーニングで身に付く(というよりも習慣化させてしまう?)事でもあると思いますが、基本的には選手本人の「気持ち」だと思います。
乱暴な言い方かもしれませんが、「勝ちたい!」「攻撃したい!」「サッカーが好きだ!」という強い気持ちを持っている選手は、自然とボールに対して猛然とアタックすると思います。

簡単な事ではないとは思います。
子どもとはいっても、ひとりの人間の精神面を変化させる事は容易くありません。
「必至にボールを追い回す」→「良い攻撃がたくさん出来た」or「相手に攻撃させなかった」or「試合に勝った」などの経験を数多く積み重ねる事が必要だと思います。
我々に出来る事は、良い経験をインプットさせるために、「声」などで子ども達の尻を叩く事ぐらいでしょうか…
生まれつき(?)極度の負けず嫌いが揃っていれば、楽なんでしょうけど…別の意味では、大変だと思いますけど。

2004年5月5日水曜日

西が丘大会6ブロック予選・1回戦

現6年生が、昨年のこの大会でベスト4に残ったため、今年度は第4シードというポジションを与えられました。
この大会で、ベスト16に残る事が出来れば、秋の「ニッサンカップ予選」の出場権を得る事が出来ます。
第4シードというポジションのおかげで、一つ大きな山からスタートする事が出来るので、とりあえず1勝すればベスト16となります。
ベスト16が目標ではありませんが、この大会の初戦は、もう1つの大会(ニッサンカップ)に参加できるかどうかの大きなハードルなのです。

前の晩から降り出した雨が、昼過ぎまで残り、当日の朝練は中止。
試合会場となる、板橋荒川グランドは、おそらく重馬場…
雨男パワーの凄さにもビックリですが、決してプラスになるとは考えられない状況は相手も同じ事。
いつもとは違うグランド状況に、どう対応するかが大きなポイントになりそうです。

試合の方は、一進一退の攻防が続き、前半に間接フリーキックからゴールを割られ、0-1でハーフタイムをむかえたものの、まだ、どう転ぶか分からない内容でした。
後半開始早々に、イサミがループ気味のゴールを決めて、試合はますます分からなくなりました。
しかし、点を取られる事はなかったものの、こちらも追加点を奪う事が出来ずに、1-1の引き分けで終わりました。

試合は引き分けですが、トーナメント方式の大会のため、PK合戦で上位進出チームを決定します。
そのPK戦は2-4で敗れてしまいました。

まず、勘違いして欲しくないのは、負けたのではないという事です。
サッカーでの「試合」は「引き分け」だったのです。
悪いグランドコンディションの中で、先制されたゲームでしたが、よくあきらめずに最後まで頑張ったと思います。

自分は、PK合戦はサッカーであって、サッカーではないと思っています。
技術があれば、必ず決める事が出来るというわけでもないし、世界的な名プレーヤがことごとくPKを外しているのは、みんなも知っている事だと思います。
(だからといって、技術的な要素が全くないかというと、そうではないので、サッカーとは全く関係ないとは言えません)
プラティニも、バッジョも「ここぞ!」という場面でのPKを失敗した経験を持っています。
日本の産んだバケモノ、釜本も「自分はPKは得意じゃない」と公言していました。
だから、PKで敗れた事に関しては、あまり気にしないで良いと思います。

考えなければいけない事は、PK合戦にならないように40分の「サッカーの試合」の中で勝負を決めるようにする事です。
そのための課題を、このゲームの中から探していかなければいけません。

ちなみに、課題を探すのはコーチの仕事でもありすが、選手もそれぞれに課題を感じていなければいけません。
イメージ通りのプレーがどれだけ出来たのか?
イメージ通りできなかったとしたら、それは何が原因なのか?
改善するためには、どの様な事に気をつけながら練習すべきか?
ぼんやりとでも、このような事を考えられるようになって欲しいと思います。
低学年には、こんな事は期待しませんが、もう5年生、そろそろ「頭の中」でもサッカーをする時期になっても良いのではないでしょうか?

さて、私がこのゲームを見ていて一番感じた事は、「足元」のプレーが非常に多いという事です。
ドリブルに関しては、「速さ」をウリにしている何人かの選手は、タテへのスペースへ突破するドリブルが何回かありました。
それは、決して「うまさ」を感じるドリブルではありませんでしたが、観ている者にある種の「期待」を持たせてくれるプレーではありました。
(結局、自分のスピードをコントロールできずに終わる事が多い)
タテのスペースを「突く!」というドリブルが非常に少なかったように感じたのは、自分だけではなかったと思います。
足元でボールを「こねる」ドリブル(というよりも、その場から動いていない!?)が非常に多いのです。
タテのスペースがなければ、タテに行かなくても良いのです。
右にも左にも(ライン際だと片方は消されてしまいますが)後ろにもスペースはあります。
相手のプレッシャーを感じたら、そこから逃げるようなドリブルをすれば良いのですが、「その場」でクルクル回ったり、足のウラでボールをこねくり回して、結局は相手に身体を寄せられて、ボールを失う場面が非常に目立ちました。

そして、「パス」に関しては、すべてが「足元」へのパスに終始していました。
「足元」へのパスが悪いとは思いません。
状況によっては、「足元」へ正確にパスしなければならない事もあります。
しかし、すべてが「足元」へのパスであれば、相手にとってこれほど守りやすい事はありません。
マークさえしていれば、そこにボールが来るのですから…
さらに、そこでボールを受けた選手が、足元でボールをこねくり回していれば尚更です。

「パス」には、味方を動かす、走らせる「パス」というモノがあります。
逆の言い方をすれば、動きながら、走りながら「パス」を受ける事も必要になります。
これは、守る側にとっては非常にやっかいで、守りにくいのです。
でも、単純に「じゃぁ、動きながらパスをもらえ!」といっても、そう簡単に出来ません。
そこには「パス」に込められた色々なメッセージを共有する必要があります。
そのためには、ある程度の経験が必要ではありますが、テレビの試合などからもつ「イメージ」というモノがあっても良いのでは?と思います。

現段階では、サッカーに関する意識という意味では、まだまだ低学年とそう変わらないのかなと思います。
でも、それはそれで良いと思います。
今がどうかではなく、これからどうするかが問題なのですから。
変わらなかったら困るけど…

2004年4月29日木曜日

中野区春季大会・4年生

得失点差「-2」で落とした予選リーグの初戦は、決勝トーナメント進出を考えると非常に痛い敗戦でした。
とはいえ、少しではありますが、「闘う」姿勢を見る事が出来た事。
(何も教えていないので、全くのナチュラルだと思いますが)有効なパスが何本か見れた事。
敗戦後の選手達の様子から「悔しい」という表情が見て取れた事。
「帰ってからサッカーしようぜ!」と約束し合い、待ち合わせ場所を決めていた事…等々。
今後につながりそうな点はいくつもありました。

上手くなるには、ボールにたくさん触らなければなりません。
それも、イヤイヤ付き合わされたり、面白くないと思っているのに練習させられるような状態では、いくらボールを触っても上達しないでしょう。
「勝ちたい!」「上手くなりたい!」もしくは、ただ単純に「サッカー面白れぇ!」という気持ちになれるかどうかが、一番のポイントだと思います。
特に小学生の子ども達を相手にするコーチは、「その気にさせてしまう」「勘違い(?)させる」ことが、その仕事のほとんどではないかとも思います。

良い練習や、良いコーチングというものはもちろんあります。
練習の組み方や、コーチの声のかけ方で子ども達の進む方向は変わってくると思います。
でも、やっぱり上手くなるためには、全体練習の時間だけではムリなのです。
「練習」という意識ではなく、サッカーで「遊ぶ」感覚でより多くボールに触る事で、個々の技術が伸びていくのではないかと思っています。
そういった意味で、25日の試合後にサッカーの約束をし合っていた子達が多かったのは、非常に喜ばしい事だったと思います。
大切なのは、それが一部の子達だけにならない事。
一部の子達から始まった事であっても、それが自然とチーム全体に浸透していって欲しいと思います。

今日の試合後のミーティングでも子ども達に言いましたが、「チーム」が大切なのです。
一部の上手な選手が「オレは上手いのに、他のヤツが下手だから勝てねぇ!」とか、反対に「僕は下手ッピだし、どうせ練習しても上手くならいよ」というのでは困ります。
みんながサポートし合い、卒業まで人数を減らすことなくいきたいものです。

さて、試合の方は5-0で勝ち。
試合前に、前回の試合を振り返って、「ボーンと大きく蹴られたボールがみんなの頭を越えて2点とられたけど、どうすればいいか?」と訊きました。
本当であれば、こういった事をコーチから言われる前にあれこれ考える「利口さ」を持ってもらいたいのですが…
子ども達から出てきた答えは「ボールを蹴らせない」「ボールを取られない」でした。

そりゃ、「蹴らせない」というのは、前の試合でコーチも言った事だけど、全部を防ぐのは難しいでしょ?
実際、前の試合では、頑張って蹴らせないようにしていたのに、それで2点も取られたんだし…
それに、「取られない」のは最高だけど、そんな事が出来るのか?
というような事を言いました。
すると、「ん~……」となってしまいました。

「鳴かぬなら、鳴くまでまとうホトトギス」と家康(で良かったですっけ?)にならなければいけないのですが、試合前で時間もないし、自分も辛抱するのは苦手だし…ということで、こちらから言ってしまいました。
攻める事ばかりに夢中になってるから、遠く後ろの方にいる危険な相手にやられちゃうんだよ!
どんなときでも、周りを見て、危ないところはどこか気をつけていなければダメだよ。
本当は、ポジションが決まれば、それぞれで役割が決まって、ここで攻撃をちょっと我慢して、相手の危ない選手に気を配るという役割の選手がいるんだけど、今はポジションを決めていないんだから、「あいつにボールが出たら危ないから、オレちょっと下がってよう」というような判断が出来るようにならないとダメだぞ。
反対に攻撃の時でも、どこに行ってボールをもらえば有利になりそうだとか、どこにボールを持って行けばいいかとかも、周りを見ながら考えられるようにならないとダメだ。
と言いました。

結果…
試合中、常に最後尾で相手のカウンターに備えている選手が1~2名いました。
でも、ずっと決まった選手がそこにいました。
こちらの意図とはちょっと違ったのですが、この学年にとって初めての「戦術」という事になるのでしょうか?

試合の状況に応じて、最後尾に近い選手が、カウンターに備える意識を持つ。
でも、その選手は、入れ替わり立ち替わりというか、流動的に動いてもらいたかったのですが…
結果的には、センターバックだけを決めた格好になりました。(今後は、センターバックだけ、その後はセンターバックとトップだけ決めるというような戦い方になってくるかもしれません。そこから徐々に役割(ポジション)を増やしていく…)
これが、どうしてそういう流れになったのかは知りません。
試合が始まったら、勇亮と大雅が最後尾に残っていました。
自分の意志で、「俺たちで後ろを締めてやるぜ!」となったのか、「お前ら守ってろ!」となったのかは分かりませんし、特に聞きませんでした。
でも、そういう役割分担がこれから少しずつ出てくるという事と、後ろを固めていた人達に対して、「お前らのおかげだ!」(実際、ピンチになる事を未然に防いだ場面が何回もあった)という気持ちを持てるようになってもらいたいものです。

今は、「球蹴り」「ボール遊び」から、徐々にサッカーへと足を踏み入れてきた段階です。
試合に勝つのも、個々が上手くなるのも、チームメイトを大事にするのも、役割分担を考えてチームのために頑張るのも、全てがサッカーに必要な事です。
もっとドップリとサッカーにハマって欲しいものです。

2004年4月25日日曜日

中野区春季大会・4年生

多田小での開会式と6年生のWSC戦の前半10分まで(後半に3点を取られて、0-3の敗戦…)試合を見て、大和小へ移動…
自転車での移動は、思ったよりも時間がかかり、予定より10分ほど遅れて到着。
樋口コーチの周りをチョロチョロと動き回っている集団を発見。
一息入れてから、アップを始め、試合に備えます。

とは言っても、まだパスを出す事を意識させていない(自分の判断で出すパスは制限していない)段階なので、試合前の指示は3年生までの頃と変わりません。
ただ、4年生になり、色々な部分で洗脳(言葉が悪いかな?「意識改革」とでも言っておこうか?)作業に入っている段階なので、精神的な話しも色々としました。
特に強調したのは、「勝つんだ!」という気持ちを強く持つ事。
「勝てればいいな」や「勝ちたいな」ではダメで、「何が何でも、オレ達が勝つんだ!」という気持ちを持たなければ、弱い相手にしか勝てないという話しをしました。
それも、試合に出ている11人だけではなく、ベンチにいる選手も含めてチーム全員が「勝つ!」という気持ちを強く持つ事が絶対に必要であると話しました。

そうは言っても、そう簡単に戦う集団には変わりません。
実際、試合前のミーティングの時にも、自分が演説(時には演説のようにスピーチする事も必要)している時に、合いの手を入れてきたり、何だかんだと話の腰を折ろうとするヤツがいました。
そんなときに、「うるせえよ!静かにしろよ!」という声が子ども達から出てきた事は、収穫だったと思います。
ある程度の方向付けは、コーチがする事だと思いますが、チームを動かすのは選手達だと思っています。
選手達が同じ方向を向いて進み出した時に、チームとしてまとまる事が出来るだろうし、個々の力をお互いに引き出す事が出来るようになると思います。

さて、試合の方は2-4で負け。
1点先制されてから、2点を取り返し、一時はもらったかとも思いましたが、ロングボールからのカウンター2発と、終了直前にPKをとられて力尽きました。

技術的、戦術的な課題は沢山あります。
でも、それはこれから時間をかけてやっていきたいと思います。
今大会は、精神面で相手に負けない事、「勝つんだ!」という気持ちをプレーに出せるようにする事が課題になると思います。

球際の粘りや相手にロングボールを蹴らせない様に、早くボールに寄せる…等々。
後半は良かったと思います。
点数だけを見れば負けていますが、決して悪い内容ではありませんでした。
しかし、まだ全員がボールに食らいついていこうとしているわけではありません。
一部の選手達が、必死に走り回っているのが目立ちます。
しつこくボールを取りに行く、相手にロングボールを蹴らせないようにボールに飛び込む…このような事に、ドリブルやトラップの技術は関係ありません。
必要なのは「ハート」だけのはずです。
技術をつける事は絶対に必要ですが、自分の出来る事は精一杯やって、チームに貢献する。
チーム全員がそんな意識を持って欲しいものです。

2004年2月22日日曜日

CTN杯

小学生最後の公式戦となる、CTN杯。
各人が、それぞれに思いを持って臨んだ大会だと思います。
現6年生は、中野区内の大会では、ほとんど優勝をさらっていっているという、つばさらしからぬ(?)学年です。
当然、子ども達も、親も、他学年の親も、そしてコーチ達も優勝という結果で有終の美を飾るつもりだった事だと思います。

しかし、結果は3位。
準決勝で、親しきライバルチーム「しんやま」に逆転負けを喫し、決勝に駒を進める事も出来ませんでした。

サッカーというスポーツは、何が起こるか分かりません。
もっとも確実性の低い「足」を使うスポーツですから、ミスは日常茶飯事です。
ワールドカップという最高峰の舞台でも、自分のゴールにボールを入れてしまう「オウンゴール」が飛び出す事もあります。
100回対戦しても、100回とも勝てるという相手は、滅多に存在しないでしょう。
するとしたら、そこにはかなりの実力差があるという事になるでしょう。

日本代表もアトランタ五輪で、ブラジル代表を破った事があります。
その勝利は、おそらく誰も予想しなかった事でしょう。
「マイアミの奇跡」などと大々的に報道されました。
そう、「奇跡」というほどの勝利だったのです。
もう1度対戦したら、おそらく勝てなかったでしょう。
サッカーでは、そんな事があるのです。

また、アメリカW杯予選では、ロスタイムにゴールを割られて、初のW杯出場を逃しました。
有名な「ドーハの悲劇」です。
まさに、残り数十秒…その時の代表は引き分けでゲームを終え、W杯出場を逃し、今回の6年生は、敗戦で優勝を逃しました。

その「ドーハの悲劇」の時、ラモス瑠偉は試合終了のホイッスルを聞きながら、こう思ったといいます。
「神様…あなたはなんてヒドイ仕打ちをするのですか…いや、神様なんていないのかもしれない…そうじゃなければ、こんな不幸な事が起こるわけはない…」と。
日本に戻ってきても、あまりのショックになかなか立ち直れずにいたとの事です。
しかし、時間が経つにつれて、考えが変わってきたそうです。
「神様は、まだオレ達にはワールドカップに行くには早すぎると言っているんだ。まだまだ、力不足だと。今回の事は、神様が与えてくれた最大の試練なんだ…」と。

そして、その試練を乗り越えて、次のW杯の切符を手に入れるんだという強い思いで今まで以上にトレーニングに励んだそうです。
年齢的にいって、ラモスが次のW杯(フランス大会)に出るのは難しいという事は、本人が一番よく分かっていたと思います。
実際、代表監督をしていたオフトと意見が衝突した時に「オレにとっては、今回が最後のチャンスなんだ!このチャンスを逃すわけにはいかない!」と言っていました。
それでも、後ろを向くことなく、少しでも可能性があるならばと、ひたむきに前進し続けるラモスのメンタリティの強さは、素晴らしいものだと思います。

前回の敗戦の時にも書きましたが、「負け」をただの「負けた記憶」にしてはいけないと思うのです。
負けた試合からも、勝った試合からも学ぶ事はたくさんあります。
むしろ、負けた試合からは、精神的に大きく成長するきっかけを得る事が出来る事も多いのではないでしょうか。
神様の存在を信じるかどうかは別にして、与えられた「試練」をどう乗り越えるかはみんな自身なのだと思います。
6年生のみんなには、チームのプレー、自分のプレーを振り返り、今後の成長の糧を見つけ出し、活かして欲しいと思います。

さて、試合内容を振り返ってみましょう。
ここまで書いた事を見ると、勝てる試合を落としたような感じですが、内容は良くありませんでした。
負けたのも仕方がないかな、というような試合でした。

良くなかった点は…
今まで、この「ひとり言」で書いてきた事が全てです。
トラップが雑、ボールの置き所が悪い、スピードやパワーに頼りすぎる、スペースを上手く使えていない…

4年生の頃から、ずっと言ってきた課題が未だに解決できていないという事です。
課題が克服できていないのに、勝ち続けてきた…

身体能力の高さで誤魔化せてしまう事があるのもサッカーです。
1試合目のJFC戦は、まさにそんな試合でした。
パスはずれる、トラップも浮かす、ボールの置き所も悪く、相手にボールを触られる事ばかり…それでも大差で勝てたのは、局面でのスピードやパワーの違いだけ(だけというのは言い過ぎかもしれませんが)だったと思います。
立ち上がりに大量得点を奪う事が出来、相手の戦意を喪失させる事が出来たのが幸いだったと思います。

対して、しんやまは頑張るチームでした。
2点取られても、必死にボールに食らいついてきました。
しかし、個々の選手の技術レベルを見るとそんなに変わりはしないと思います。
いや、つばさの選手達の方が上かもしれません。
ところが、ボールに必死に食らいついてくる相手に対して、雑なプレーをしていると、決定的な場面を創り出す事は出来ないのです。

こんな事は、前にも書いた事だし、子ども達にも伝えてきたつもりです。
そう、つもりだったのでしょう…
これは、我々コーチ陣も大いに反省すべき点だと思います。
振り返ってみれば、6年生、上手くなっているのか?…と。

半ば押しつけるようにして、徹底させる事は簡単です。
しかし、そうではない、というのが自分の基本的なスタンスです。
自分で課題を克服するために、色々な事を意識しながらプレー(練習・試合)するようにならなければ、本当の意味での成長はないと思います。
コーチや大人の言われた通りにやって結果を出して、「ほら、出来ただろう!」というのは、カンニングに等しいとも思います。

でも、なかなか思い通りにはいかないものです…
悔しい思いをするのも経験だし、今後に活きるだろうとは思いつつも、何年も付き合ってきた子ども達には、良い思いをさせてあげたい気持ちもあります。
内容どうのこうのよりも、良い結果を残させて、良い思い出を作ってあげた方が単純に良いのか…
その方が将来につながったりもするのかな?

なんだか、分からなくなってきました…