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2007年2月12日月曜日

JCN杯・1回戦

これまで3年間、自分が担当としてきたチームが6年生として、つまり「つばさ」としての締めくくりとなる最後の公式戦を迎えることとなってしまいました。
都合の良いことに、相手はこれまで何度も対戦しているものの「試合」では勝っていないKFC。
5年の春・秋、6年の会長杯と続けて優勝しているものの、PKでの勝ち上がりや、PKでの優勝決定という自分の中ではスッキリしない気持ちがありました。
それを、この総決算となる試合で決着をつけてやろうという気持ちがありました。

そんなコーチの余計な気持ちがあったため、試合前にはいつも以上に子ども達に「気合い」を注入しました。
普段通りのサッカーをして、これまで積み重ねてきた練習の成果を出すのが目的だったのに…
そして、その気合いは見事に相手のサッカーにプラスに作用してしまったのでした。
KFCのサッカーは、タテに速い攻撃と豊富な運動量、そして強いプレッシャーをかけてくる、つばさの苦手とするスタイルです。
そんなサッカーを相手にするときは、猛烈な勢いで飛び込んでくる相手を鼻歌交じりに「いなす」余裕が必要です。
これまでのKFCとの試合でも、中盤を制して余裕を持ってボールとゲームを支配したこともありました。(そこまで圧倒はしていませんが)
しかし、この日はコーチが余計なことをしてしまったため、子ども達がいつも以上に相手とファイトしてしまったのです。
ものすごい勢いでプレッシャーをかけてくる相手に対して、正対して向き合い勝負を挑む。
まぁ、それ自体は悪くないのです。
ボールを失いさえしなければ。
相手の勢いを利用して、スッとかわしたり、つなぎのパスで相手をやり過ごしたりすることができれば。
しかし、しっかりとボールをコントロールしきれていない状況でも、相手と向き合って「勝負」をしてしまい、ボールを奪われる場面がほとんどでした。
当然、相手ボールになると怒濤のカウンター攻撃を受けることになります。
また、苦しい状態でボールをなんとか奪い返すも…という悪循環に完全にハマってしまいました。
試合前、ハーフタイムでは「まず、しっかりとボールをキープして、ゆっくりとしたつばさのリズムにゲームを持っていくこと!」と言いました。
しかし、それ以上に子ども達のアドレナリンが上がっていた(上げてしまった)のかもしれません。
「不用意」な「勝負」でボールを失うことも多かったのですが、単純なトラップミスやキックミスでボールを失うことも非常に多く、これでは勝つことは難しいというゲーム内容になってしまいました。
「気持ち」を戦闘態勢にもっていくことは、試合に臨む選手としては当然のことで、その上で頭をフル回転させ、どの様なプレーをすればよいかを考えられるようにならなければいけないとは思っています。
しかし、6年生でそんなことができるのは、とてつもなくマセているか、ちょっと変わっている子かもしれません。
ということで、20年近くもコーチをしているわりには、そんな簡単なことも見失ってしまった自分のミスも手伝って玉砕することとなってしまいました。
「負けた」という結果よりも、目指すべきサッカーが全くできなかった。
この事に非常に悔いが残る最後の公式戦となりました。
しかし、これまでにも目指すべきサッカーができないゲームはありました。
もちろん、良いゲームもありました。
この年代で、常に一定のレベルのゲームを続けるのは難しく、その内容にはムラがあるのは当然だと思います。
しかし、どんなゲームであろうが、まだまだ小学生のみんなには、そこから「何か」を感じ取って欲しいのです。
勝ったから良い。
負けたからダメ。
という事ではなく、どんなゲームでも、みんなにとっては「成長」するための材料であるのです。
スコアでも勝利をおさめ、内容も良かった。
でも、そんなゲームでも決して「満点」というゲームにはならないはずです。
ゲームが終わった後に、振り返ってみて、良かった点や悪かった点を自分なりに思い出すだけでも違うでしょう。
そこから課題を見つけだし、通常練習にいかすようになれば、言うことナシです。
これまで何度も言ってきましたが、みんなの目指すべき所は、つばさでの最後のキレイな思い出作りではなく、5年後、10年後に「良い選手」「大きな人間」になることです。
今回の「敗戦」「最低に近いゲーム内容」をさせてしまったことに対して、とても申し訳ない気持ちで一杯です。
でも、みんなには「最後の公式戦で1回戦負け」という苦い経験をしっかりと抱えて、この先どうすればいいかを模索して欲しいと思います。
そして、何年か経ったときに、逞しくなった姿を見せに来て欲しいと思います。
「あのとき、コーチが余計なことばっかり言うから、ヘンに気合いが入っちゃったんだよね~!」とか言いながら…
最後になりましたが、学年の垣根を越え、このゲームに駆けつけていただいた上、たくさんの声援を送っていただき、ありがとうございました。