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2003年9月23日火曜日

ジュニア大会6ブロック予選・3回戦

「根性」「精神力」「気合い」…
サッカーは技術と駆け引き(頭脳)のスポーツだと信じている自分は、こういった言葉にはある種アレルギーのようなものを覚えてしまうのですが、実は非常に大切な事だと思っています。
いや、大切どころかこのような「気持ち」のない選手(人間)は、サッカーの世界ではもちろん、どの様な場面においても大成しないと思っています。
子ども達には、サッカー選手にとって一番大切なのは「気持ち」であると常日頃から説いていますし、競った試合では必ず「勝つんだ!」という気持ちの強い方が勝つものだとも言っています。

さて、今日の4年生…
1学期の最後の公式戦となった区大会プレーオフの初戦、2-0で下した鷺宮が相手でした。
以前勝った相手である事、最近の戦績が良い事で、ある種の油断、慢心があったような気がします。

しかし、サッカーはそんなに甘いものではありません。
前回の勝利も、楽に勝てた試合ではなかったはずです。
特に後半は、相手のペースだったように記憶しています。
それでも、勝利をモノに出来たのは、「勝つんだ!」という気持ちを強く持ち、相手のボールに対して早く、激しくプレッシャーをかけた結果だったのではないでしょうか。
それが終了間際の2ゴールに結びついたのだと思います。
あの試合は、最近の4年生の試合の中でもベストゲームだと思っています。

今日は0-3で負けました。
子ども達が本当に油断していたかどうかは分かりません。
しかし、決定的に違っていたのは、ボールに対して向かう姿勢でした。
前回は、相手にほとんどロングボールを蹴らせないような早いプレッシャーでペースを握ったのですが、今日は長いボールをどんどん放り込まれていました。
そして、ロングボールの落ちた先でも相手にボールを奪われて…

そこには圧倒的な力の差があったのでしょうか?
そうは思いません。
そこにあったのは、「俺たちが勝つ!」という気持ちの差だったのではないでしょうか?

つばさの4年生がしんやまに対して「リベンジしてやる!」と燃えていたのと同じように、鷺宮の選手達も「2度も続けて負けられるか!」という気持ちがあったと思いますし、そうなるのが普通だと思います。
その相手に対して、「多分勝てるよ!」「勝てる、勝てる!」という気持ちで対したのでは、結果は明らかです。

負けた事に関しては、何も言う事はありません。
「勝負は時の運」ともいう通り、全力を尽くしても負けてしまう事があります。
大切なのは、内容にこだわる事と、次につなげる事だと思います。
今日のゲームは、明らかに「気持ち」の差だったと思います。
技術的な差ではなかったと思います。
それだけに、非常に残念でなりません。
この敗戦を、どう捉えて、今後にどう活かすのか…
大切なのは、選手達の自覚だと思います。

5年生が優勝した時にもいいましたが、「満足」からは何も生まれてきません。
「自信」を持つ事は大切な事ですが、今の自分に「満足」してはいけません。
勝ち星を重ねても、「もっと強くなるんだ!」「もっと上手くなるんだ!」という気持ちを持ち続けて欲しいものです。

そして、本当の「自信」は積み重ねられた「実績」によってしか作られません。
先制点をとられても、「勝つ!」という気持ちが萎えないような、真の「自信」をつけようではないですか!
常に上を見て、集中した練習の積み重ね…このことによってしか、本当の「自信」をつける事は出来ません。
時間はかかるかもしれませんが、本当の「自信」、本当の「実力」をつけるために頑張ろう!

2003年9月15日月曜日

中野区春季大会・5年生・決勝T

予選リーグ終了から2ヶ月半…
ポッカリと穴が空き、「これ、何の大会だっけ?」と訊く子がいてもおかしくない…
練習試合は、それなりにこなしていたものの、大会期間が空いている事にコーチ陣も不安を感じていないわけではありませんでした。

予選リーグの戦いを見ていると、他のチームを圧倒している「質」の良さがありました。
キレイなサッカーをしながらも、得点能力も高い…
そんな5年生を見て、コーチ陣には「優勝」の2文字がチラチラと見えていたのでした。

そして、空白の2ヶ月半…
練習試合では、悪くないゲーム運びをしながらも、「脆さ」を露呈する場面がチラホラ…
多くの課題を抱えながらの決勝トーナメントだったのです。

しかし、結果は見事「優勝」!!
初戦の鷺宮戦(後半だけ観戦)は、良いデキとは言えないものの、持っている能力の高さを感じさせるのには十分でした。
そして、決勝戦では5-0の圧勝!
ベンチでも落ち着いて見る事が出来ました。

チームとして優勝する事は出来ました。
しかし、満足してはいけません。
夜の焼肉パーティ(皆さん、ごちそうさまでした!)でも言いましたが、満足したら成長は止まってしまいます。
常に成長する事を考えましょう。
ひとりのサッカー選手として成長するために…
つばさの5年生チームがより良いチームに成長するために…
考える事、やらなければいけない事は沢山あります。

しばらくは「優勝」の余韻に浸るのもイイでしょう。
しかし……もう一度言います。

満足したらそこで終わり
がんばれ!

2003年9月14日日曜日

中野区春季大会・4年生・準決勝

この日、4年生は朝練なしで直接試合会場入り。
という事で3年生だけの朝練となります。

……静かだ!
5・6年のような「暗い…」という感じではなく、そこそこおしゃべりしている3年生はいるものの、いつものような騒がしさがない。
う~ん、4年生がいないと、こんなに静かだったのか…
まぁ、元気が良いのはイイ事だ!
やっぱり、子どもは元気じゃないとね!
!!!んっ?…………
もしや、今年の合宿が騒々しかったのって……………

さて、1・2年生の朝練が終わり、樋口コーチからプレーオフに勝ったとの連絡をもらったので、プレーオフ&決勝トーナメント1回戦となる会場の西中野小学校へ向かいました。
会場に着いたら、決勝トーナメントの別山の1回戦(というか、4チームなので準決勝)が行われていました。
対戦カードは、KFC-A対WSC。
後半だけの観戦でしたが、2年振りに見たKFC-Aの力強さ、速さは相変わらずでした。
同じ学年に、こんなに強いチームがいるということは、つばさの4年生にとっては、幸せだととった方が良いとは思いつつも…なかなか、簡単に勝てるチームじゃないなと思い、「不運…」とも思ってしまうのでした。

さて、ついにつばさの準決勝が始まります。
3年生の時には、ワールドカップの影響で公式戦ナシという不遇の学年でしたし、2年生の時には……結果は言いますまい。
とにかく、準決勝という未知の世界に足を踏み入れた瞬間でした。

対戦相手は「中野しんやま」。
練習試合の相手としても、何回もお世話になっているチームで、今年の山中湖合宿でも試合をお願いしたチームです。
しかしながら、ここまでの戦績は、(チョット?)しんやまに分がありましたが、夏合宿の試合ではつばさの力が上であると、☆コーチが力説していました。(缶チューハイを空けまくる☆の証拠ビデオあり?)

さて、ゲーム内容は…
☆コーチの言う通りでした。
異常とも思える灼熱地獄の中でしたので、しんやまの調子が悪かったのかもしれません。
しかし、局面の勝負においては、つばさの選手達がことごとく勝っていたように思われました。

このしんやま戦に限らず、最近の4年生の成長ぶりには目を見張るものがあります。
サッカーの質が変わった訳ではありません。
特別に技術が上達したとも思えません。
ポジションを決めた事が影響しているとはとても思えません。(まだ、そんなサッカーなんです…)

では、何が変わったのか…
「自信」だと思います。
どんな根拠があるのか分かりませんが、今の4年生には「俺たち強いぜ!」という妙に自信に満ちた雰囲気がプンプンします。
いや、最初は「俺たち、強い?」という感じだったと思うのですが、1学期の2~3勝が彼等を変えたのでしょう。

「勝利」というものは、想像以上の自信をチームに与えます。
「勝つ」という事は、チームの成長にとって欠かせない事なのです。

つばさは「勝負」に徹するチームではありません。
だからこそ、「勝てるはずの試合」は勝たなければいけないし、「ほぼ互角の勝負」を制するかどうかは非常に重要なのです。

4年生は、「勝てるはずの試合」で取りこぼすことはありませんでした。
そして、どちらが勝つか分からない「ほぼ互角の勝負」では、ことごとく接戦を制して「勝ち」を拾ってきました。
これで、「自信」を持たない方がウソです。
「自信」という武器を手に入れた4年生は、ひとつ上のステップへ進みつつあります。

しかし、その「自信」が「実」の無いものだと困ります。
1度の敗戦で、もろく崩れてしまう事でしょう…
特に次戦(ブロック大会)は、プレーオフで勝利を収めている鷺宮です。
この試合の結果が、今後の4年生に大きく影響を与える事になるのは、間違いなでしょう。

そして何より大切なのは、「実のある自信」を身に付ける事だと思います。
どの様な形にしろ「自信」を持っている今は、大きく飛躍するチャンスだと思います。
次のゲームをどの様に終えるのかも大切です。
そして、ただのお調子者で終わらないためにも、4年生のみんなには頑張って欲しいと思います。

4年は強いぜ!
練習したら、もっと強くなっちゃうなぁ…

2003年9月13日土曜日

さわやか杯6ブロック予選・2回戦

6年生最後のブロック大会、今日の相手は4年生の時に完敗した(という話しで、自分は見ていないのですが)王一FC。
結果は0-1で敗退…
うなだれながら戻ってくる子ども達…
荷物を置いてある場所に戻っても、みんな下を向いて、泣いている子もいる…

こんな様子を見て、ぼんやりと考えていました。
オレが選手で試合に負けた時、泣いた事ってあったっけかなぁ…?

そういえば…1度だけありました。
高校3年生の夏の大会で、選手生活の最後をかけて臨んだ大会に負けた時でした。
大学では(選手として)サッカーをやろうとは思っていなかった自分は、試合が終わった時「あぁ、もうオレはサッカー選手じゃないんだなぁ…」と思い、なんとなく涙が流れてきたものでした。

でも、それ以外には無かったと思います。
むしろ、泣いているチームメイトや引退の決まった先輩達を見て、「負けて泣くなら、もっとやっとくべき事があったんじゃないの?」「泣く事で『負け』を美化するなよ…」と、ちょっと醒めた目で見ていました。
自分は選手時代から、練習試合、公式戦を問わず、試合というものは自分の力試しの場だと思っていたので、勝ち負けよりも自分のプレーがどのレベルまで通用するのかという興味の方が強かったようです。
かなりの変わり者だったのかもしれません。
というよりも、『優勝』というものを目指す事のできない弱小チームにいたからそうならざるを得ないという所もあったのかもしれませんが…

そして、今日の6年生を見て…
やはり同じです、厳しいようですが、いや、厳しくいうべきなのかもしれません「泣いてんじゃない!」と…

負けは負け、それは素直に受け止めなければなりません。
これで、みんなのブロック大会は終わりです。
都大会に出場するチャンスも、もうありません。

しかし、みんなの選手生活は、まだまだ長いのです。
敗戦の1つや2つで、いちいち涙を流しておセンチな気分に浸っているようでは、たくましい選手にはなれないのです。

チームとしては負けたが、自分のプレーはどうだったのか、周りのと連携はとれていたのか、チームの雰囲気が悪いと思った時にそれを変えようという気持ちがあったのか、またそのようなプレーをしたのか…
選手個人としての反省、チームの中の1人としての反省、チーム全体の課題と自分がチームに出来る事は何なのか…
涙を流しているヒマなどありません。
闘いはまだまだ続くのです。
どんな事があっても、常に前を見て突き進もうじゃありませんか!

ただ、勘違いしてはいけません。
負けた事を悔しがる事は非常に大切な事です。
しかし、その悔しさは『涙』で表現するのではなく、ステップアップのための『エネルギー』にしなければいけません。
悔しさを感じない選手は、良い選手になれないと思います。
今日感じた悔しい思いを、どのように今後に活かすかはみんな次第です。
精神的に強く、たくましい選手になる事を期待します。

さて、今日の試合内容ですが…
決して勝てない相手ではありませんでした。
4年生の時に、全く歯が立たなかったという事を考えると、その差を大きく縮めたといえるのかもしれません。
しかし、良い内容だったかと訊かれたら、答えは「ノー!」です。

暑さに加えて、多くの選手がどこかに故障などの不安箇所を抱えている状況もあり、全体的に動きが鈍かったです。
そのため、中盤でのルーズボールはほとんど拾えませんでした。
運動量、質、明らかに相手の方が上でした。

では、そんな相手(ベストの状態だったら、運動量や質にそれほどの差は出ないのかもしれませんが)とは、どの様に戦えばいいのでしょうか?
今まで散々いってきたように、「頭」を使わなければいけません。

前半は、トップ下の位置でフリーで前向きでボールを持てるような「つなぎ」が何回かありました。
しかし、「くずし」にかかる姿勢や意欲は感じられませんでした。

つばさでは、「ボールを奪われるな!」「強引にいくな!」と良くいいます。
しかし、ゴール前に関してはこれは通用しません。
ゴール前では、「ボールを奪われそうだとしても」「強引に」ゴールに向かわなければならないのです。
今日は、そのようなプレーが全くといっていいほど見れませんでした。

シュートは常にゴールの枠を捕らえなければいけないのでしょうか?
ゴール前でのドリブルやワン・ツーでの突破は、シュートまでいかなければいけないのでしょうか?
そう、答えは「ノー!」です。

3~4本、シュートが枠を外れても全然オッケーです。(キックオフシュートはどうかと思うけど…)
ドリブルやワン・ツー突破が相手に引っかかって、シュートまでいけなくても、ゴール前ならノー・プロブレムです。
「オレは、スキあらばシュートを打つ選手だぞ!」「オレを前向きにしたら、ゴールに向かってプレーするよ!」そういった事をプレーで相手に分からせる事も必要です。
いわゆる「見せ」の為だけのプレーで、相手をビビらせるのです。

1試合を通して、1~2回ゴールを決めれば、FW(もしくは攻撃の選手)としては十分な仕事をしたといえるでしょう。
だからこそ、自分がボールを持った10回の内、半分はこのような「ハッタリ」(言葉は悪いが)に使ってしまってもいいのです。
このようなプレーが何回か続けば、相手はこちらのチョットした動きにも神経質になり、必死にゴール方向を守りに来るようになるはずです。
そうなれば、もうこっちのものです。
あとは、どうすればよいか、もう分かるでしょう…

ということで、今日のゲームは相手に全く恐怖心を与えられないまま、ズルズルとゲームの主導権を相手に渡してしまいました。
前半は悪くない展開だったのに、後半は全く良い所がなかったのは、そこにも原因があったと思います。

他にも色々と課題はあります。
しかし、その課題を自分なりに感じて克服するのは選手にしかできません。
今日の悔しいという気持ちをどの様に活かすか…
今後の活躍に期待します。

2003年9月7日日曜日

ジュニア大会6ブロック予選・1回戦

8月末の合宿でポジションの役割を覚え、少しずつパスサッカーへ移行しつつある4年生…
また、今までは試合会場に来た子は全員が出場するという状態だったのが、今回はある程度人数を絞ってゲームを戦うという初めての経験…
今日のゲームは、非常に大きな意味を持ったゲームでありました。

まず、試合に出れた子と出られなかった子がいた事について。
つばさでは公式戦、練習試合を問わず、基本的にその会場に来ている子どもを全員出場させています。
そこには、サッカーを好きになってもらいたいという思いがあるからです。

「好きこそものの上手なれ」
好きでもない事に打ち込むわけはありませんし、そうなると、もちろん上達もしません。
上手い、下手は別にして、まずサッカーを好きになる事。
これは、つばさの基本的な目標でもあります。

試合会場で、常にベンチにいるだけ…
これでは、サッカーが好きになるはずがありません。
技術的に未熟であっても、試合で少しでも(偶然でも)活躍する事を経験すれば、サッカーに対して前向きになるかもしれません。
もちろん、そう簡単にならない事の方が多いのですが、サッカー(の試合)をしないでサッカーを好きになる事は出来ないと思っています。

しかしながら、問題もあります。
このような環境は、思い切り「ぬるま湯」状態となり、練習しなくても、上手くならなくても、また通常練習に出なくても試合の時に会場に行けば出れるという状態を作ってしまいます。
これは非常にまずい事です。
自分の努力を認めてもらったり、努力の足りなさを痛感して悔しい思いをするという事は、子ども達の将来を考えると非常に大切な事だと思います。

したがって、年に数回のブロック大会の時には、ベストメンバーに近い状態で試合に臨み、「ぬるま湯」から一度出すのがつばさの長年のやり方でもあります。
今日のゲームでも試合に出れない子が何人かいました。
その子達に対して「かわいそう」と思うのは簡単な事ですが、逆に「お前達は、良い経験をした」という様なとらえ方をして欲しいと思います。
挫折を味わった人間の方が、強くなれるような気がするのですが、それは私だけでしょうか…

大切なのは物事を前向きに捉える事、「どうせボクは下手だから…」といじけているだけでは何も解決しません。
チャンスはいくらでも転がっているのです。
そのチャンスをつかみ取るために何が必要か、そういった事を考えられる年齢でもあると思います。

試合の方は、2-0で勝利。
個々の能力はつばさの選手達の方が高かったと思われます。
攻め込まれる場面も少なかったです。
それだけに、もう少し上手な試合運びをして欲しいような気がしました。

まだまだ、経験不足な面が目立ちます。
グランド全体を頭に入れてプレーする事までは要求しませんが、せめて自分の周囲の状況ぐらいは掴んでおきたいものです。
そして、どの様なプレーをすれば良いのか…
今は、ただ一生懸命プレーしているだけという感じですが、この辺が変わってくれば面白いゲームが出来そうです。

高学年によく言う「駆け引き」をそろそろ意識しだす子が出てくる事を期待しつつ、区大会プレーオフとジュニア大会を見守っていきましょう。

さわやか杯6ブロック予選・1回戦

パスをつなぐ…
つばさでは、この言葉が合い言葉のように使われています。
では、何故パスをつなぐのでしょう?
1本、2本とパスを交換するよりも、1発長いボールをFW目掛けて蹴っておいた方がノーリスクでボールを前線に送る事が出来るのに…

実際、公式戦になると(?)このような戦い方をするチームは非常に多いです。
自陣にボールがある事をとにかく嫌い、ボールを相手陣地に蹴り込む…
DFの選手がボールを止めて、パスコースを探そうものなら、「よけいなコトするな!蹴れ!」と…(言葉は『ロングボール』とか『FWを走らせる』とか上手く使い分けていますが、同じ事)
その上で、前戦からプレッシャーをかけ、高い位置でボールを奪う事が出来れば、相手ゴールに近い位置で攻撃をスタートする事が出来ます。

勝負に徹するのであれば、(小学生のように)技術的なレベルが低い相手ほど有効な戦法だと思います。
放り込まれたロングボールを上手く処理できないDFであれば、しめたもの。
蹴って蹴って蹴りまくれば、自然とチャンスは生まれてきます。
しかし、相手DFの技術が高ければ、単なる『放り込み』のボールはことごとく防がれてしまうでしょう。

もう、お判りだと思いますが、この戦い方は自らの手でチャンスを創りだすというよりも、相手のミスを誘い出す…というか、相手のミスを期待するサッカーとなるのです。
もちろん、相手DFがどうのこうのではなく、ロングボールがキレイに味方FWに通って、ゴールに結びつく事もあると思いますが、それが狙ったロングパスではなく、ただ前に蹴ったボールであるというのが大きな違いであり、それは単なる偶然というものなのです。

私は、このスタイルが好きではありません。
今まで、自分が指揮を執ったゲームではどんな大きな大会でも、また優勝のかかったゲームであってもこのようなスタイルを選んだ事はありません。
なぜなら、サッカーは『判断』のスポーツであり、『駆け引き』の比重が大きいと思っているからです。
『判断』する事も、相手と『駆け引き』勝負をする事も許されず、ただ大きく蹴るだけ…
自分が選手だったら耐えきれないでしょうし、サッカーの楽しさを味わえないでしょう。
また、小学生はサッカーの本当の面白さを知らなければいけないと思います。

たとえ、ボールを蹴ってもらう方のFWだとしても、サッカーの本来の面白さは味わえないでしょう。
適当に蹴られたボールを犬のように追い回し、相手のミスを期待しながらボールを取りに行く……これもサッカーなのですが、役割がこればかりなのは自分には耐えられません。
タイミング良く相手のマークを外しスルーパスを受けたり、ワン・ツーのカベ役となり、味方にシュートを打たせたり、リターンパスを出すフリをして自らシュートを打つ。
このような多種多様なプレーを多く見せ、相手DFラインを翻弄する。
これがサッカーの面白い所なのではないでしょうか?
そのような事(サッカー本来の魅力)は、『放り込み』のスタイルからはうまれないのです。

さて、前置きが長くなりましたが、パスをつなぐ意味とは…
そうです、チャンスを自らの手で創り出すためなのです。
偶然によってうまれたシュートチャンスではなく、シュートチャンスを創り出すために…
それも、より良い(ノーマークで、しかも止まっているボールを利き足で打てるような)形でシュートを打てるように…

そのためには、精度の高いラストパスが必要になります。
単純に考えると、ラストパスを出す選手とシュートを打つ選手の距離は短い方が良いでしょう。
しかも、ラストパスを出す選手は、ノーマークの状態で出した方が良いでしょう。
ラストパスを出す選手がそのような状態で、パスを出せるようにするためには、そこに出るボールが精度の高いパスであり、そこにパスを出す選手との距離は短く、ノーマークの状態で………と延々(実際には、そんなに長くボールを回しませんが)と続きます。

パスを回すという事は、よい形でシュートを打つために、フリーの選手へボールを渡すのです。
通常は、ノーマークでシュートを打てることは滅多にありません。
また、ノーマークでラストパスを出せる事も殆どありません。(それでも、1試合の中に何度かはある。それを感じる事が出来るかどうか、活かせる事が出来るかどうかがポイント)
そのわずかなチャンスを創り出すために、チーム全体でパスを回すのです。
よい形でシュートを打つために、また最高のラストパスを出せるように…

ということで、今日のゲームですが…
中盤では、ほとんどノーマークでボールを持つ事が出来ました。
これは、速いテンポでボールを回した結果、フリーでボールを受ける事が出来たのではなく、相手のプレッシャーが甘かったからです。
これは、願ってもない事です。
中盤でボールを持てば、フリーで前を向ける…こんな状態が、ゲーム中に何度もありました。

でも、それだけでした。
そこから最後の『くずす』イメージを感じる事はありませんでした。
昨年の6年生は、『くずし』のイメージを持たせる所まで練習テーマを移行させる事が出来ませんでしたし、今の6年生も最近そのテーマに取り掛かったばかり…
とはいっても、コーチに教えられてトレーニングをしないとそのようなイメージが持てないのでは少々淋しい気がします。

今は、テレビで色々な国のリーグを見る事が出来ます。(自分の時は『ダイヤモンドサッカー』のみ)
その中から、『スゲェ!』と思う(何を『スゲェ!』と思うかが大切ですが)ようなプレーをしっかりと頭の中に刻み込み、まねしようとする事が大切です。
サッカーバカになる事、サッカーマニアになる事、頭でっかちと呼ばれても、それは非常に大切な事だと思います。

ボールをコントロールする事に精一杯であれば、そのようなイメージを持つ事は出来ませんが、今の6年生はそれらの技術的な課題をある程度クリアしているはずです。
色々なプレーをイメージしながらサッカーが出来るようになろうではありませんか!

ボールを大切につなぐ事、それは良い形のフィニッシュへ結びつけるため。
よりフリーな良い状態の選手へボールを預け、チーム全員でチャンスを創り出そう!
そして、運良くラストパスを出せる位置・タイミングでボールを持ったら、ダレもが驚くような『くずし』のプレーを見せよう!
そして、さらにラッキーな事に、シュートチャンスをもらった選手は、チーム全員で作り上げたこのチャンスを得点に結びつけよう!
頭を使えるようになれば、サッカーがもっともっと面白くなるはず!

めざせ、サッカーマニア!