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2004年6月20日日曜日

中野区春季大会・2年生

子ども達にとっては、初めての公式戦となる、この大会。
初戦は5月23日に消化していたのですが、それはBチームのみ。
今日の20日が、2年生全体の公式戦デビューという事になります。
ということで、かなり遅くなってしまいましたが、AB両チームの試合を見た感想を書きたいと思います。

基本的に、つばさでは4年生の夏過ぎ頃(これも、決まっている訳ではなく、子ども達の様子を見ながらになります)まで、ポジションを決めません。
また、ボールを「蹴る」(ここで言う『蹴る』とは、なんの意図もなく『蹴る』事で、パスやシュートはもちろんOKだが、ポジションも何もないので、パスなど出来ない。もちろん、ポジションを決めたからといって、2年生にパスをつなぐ事が出来るとは思いませんが…)事を基本的に禁止しているので、ボールを運ぶ方法はドリブルのみとなります。

対する相手チームは…ロングボールを蹴る!蹴る!蹴る!
ベンチの指示も「大きく!」「前へ!」というものがほとんどです。
つばさのベンチは「蹴るな!」「ドリブル!」「突っ込むな!」「広い方へ!」となります。

それが、勝負弱さの原因である事は百も承知なのですが、ドリブルという個人の力で選手の塊をなんとかして欲しいのです。
塊の中に突っ込んで、ドリブルでヒョイ、ヒョイと突破することが出来れば最高ですが、塊を大きく迂回するような「判断力」を持った選手も魅力的です。

2年生というこの時期は、「個人」の力でプレーする、という事で良いのではないかと思います。
というよりも、全員が「オレが!オレが!」とボールを持ったら喜々としてドリブルするようなチームになりたいと思っています。
そして、個々の選手がドリブルでボールを持てるという事が、この後のチーム作りに大きな武器となるのです。

というのも、一人の選手として見た時に、ボールを持てるかどうかというのは非常に重要なファクターとなります。
ボールを正確に強く「蹴れる」事、ボールをイメージ通りに「止める」事がサッカー選手に要求される技術の全てといっても言い過ぎではないと思っていますが、それにプラスしてボールを取られないように「持てる」選手はプレーの幅が広がります。
さらにいえば、相手守備陣を切り裂くような、突破のドリブルが出来る選手は、チーム内で頼られる選手になるでしょう。

ということで、2年生という時期は、チームにとっても選手達にとっても長い選手生活をバラ色にするための大切な準備期間なのです。
この時期に、ただ大きく蹴る事しか覚えず、それでチームが勝つ事で、そのプレーに満足してしまうと、気付いた時には(適当に前に大きく)蹴る事しか出来ない選手になってしまいます。
子ども達に接する大人が気をつけなければいけないのは、例え試合に負けたとしてもしっかりとした方向性を持っているという事だと思います。

試合に勝ちたいから、ドリブルなんかしたらダメだというのではなく、そこに長期的な目標があるかどうかが大切だと思います。
2年生の子ども達にとって、つばさの取っている「ドリブル」が最良の方法かどうかは分かりません。
でも、自分の経験から低学年は「ドリブル」で勝負をすべきだと思っています。

さて、勝負弱いつばさの戦い方ですが、試合に負けても良いかというと、それは全く違います。
試合に勝つための最大限の努力をしなければいけないと思います。
ただ、そのための手段は大いに選ぶ必要があるという事です。

現在、AB両チーム合わせて、1勝4敗という散々な成績です。
「ドリブル」中心よりも、「キック」を多用した方が、勝負強いというのも、自分の経験から分かっていますが、そうしないのには、前述したような理由があります。
しかし、「ドリブル」中心の戦い方でも勝てたのではないか(勝負は水ものですから、断言は出来ませんが)という試合もありました。
特に強く感じた事は、相手ボールに対するディフェンスです。

サッカーはゴールを奪うスポーツです。
攻撃しなければ、勝つ事は出来ません。
また、自分はディフェンス重視の「負けないサッカー」(今、白熱しているユーロでいうとイタリア、ドイツ、スウェーデンなど?あくまでも私見ですが…)は好きではありません。
とことんゴールを目指す攻撃重視の「勝つためのサッカー」(スペイン、フランス、ポルトガル、オランダなど…)をしたいし、させたいと思っています。

では、何故ディフェンスなのか?
答えは簡単です、相手のボールを奪わなければ、攻撃が出来ないからです。
相手のボールを奪わなければ、好きなように攻撃されてしまうからです。
当たり前ですが、攻撃はしたいのですが、攻撃されるのは好きではありません。
しかし、この数試合を見ると、「攻撃されたくてたまらないのでは?」と首を捻りたくなるような場面を多く見ました。

ディフェンスに限らず、サッカーには(サッカーに限らないと思いますが)「気持ち」という要素が非常に大切だと思っています。
自分は根性論者ではないし、どちらかというと精神論には否定的です。
しかし、「気持ち」の入っていない選手は絶対に伸びないし、そのような選手が多いチームは、決して接戦をものに出来ないでしょう。(明らかに力の差がある場合は勝てるでしょう)
残念ながら、今の2年生はそんな状況なのです。

もちろん、子ども達は勝ちたいと思っているでしょう。
でも、その気持ちがそれほど強くないのだと思います。
もしくは、表に出てきていないのかもしれません?
見ていてそう感じるのは、相手のボールを勢いよく取りに行く姿がほとんど見られないからです。
実際にボールを奪えなくても構わないのです。
「絶対にボールを取ってやる!」という気持ちで、相手に向かっていく選手が非常に少なかったのが気になりました。

なぜか?
大方、察しはついています。
それは、つばさの練習方法に原因があるのではないかと…
練習中のミニゲームでは、ボールを2個、3個と入れてプレーさせます。
そのため、ボールを奪われても、他のボールに対象を向ければ良いのです。
ムリしてボールを奪わなくても、待っていれば他のボールが勝手に自分の所に来る事もあります。
ここには、ボールを触りたかったら、何がなんでもボールを奪い取らなければ…という(多くの名選手が育ったという、ストリートサッカーで育つ)「気持ち」は必要はありません。

では、ボールを1個にすればいいのでは?
しかし、サッカーは(というよりも、選手育成は)そう単純ではないと思います。
だからこそ、そう感じながらも複数のボールでゲームをしているのです。

・多くの選手がゲーム中にボールに触る時間を増やしたい
・ただ単に「触る」だけではなく「ドリブル」の時間を増やしたい
・複数のボールの中から、もっとも「オイシイ」ボールを見つける判断力を養う
・単純にゴール(得点)が増え、試合が盛り上がる
などなど、他にもプラス材料は沢山あると思います。

さて、問題は「何がなんでもボールを奪い取る!」という意識を持つ事。
これは、トレーニングで身に付く(というよりも習慣化させてしまう?)事でもあると思いますが、基本的には選手本人の「気持ち」だと思います。
乱暴な言い方かもしれませんが、「勝ちたい!」「攻撃したい!」「サッカーが好きだ!」という強い気持ちを持っている選手は、自然とボールに対して猛然とアタックすると思います。

簡単な事ではないとは思います。
子どもとはいっても、ひとりの人間の精神面を変化させる事は容易くありません。
「必至にボールを追い回す」→「良い攻撃がたくさん出来た」or「相手に攻撃させなかった」or「試合に勝った」などの経験を数多く積み重ねる事が必要だと思います。
我々に出来る事は、良い経験をインプットさせるために、「声」などで子ども達の尻を叩く事ぐらいでしょうか…
生まれつき(?)極度の負けず嫌いが揃っていれば、楽なんでしょうけど…別の意味では、大変だと思いますけど。

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