ページビューの合計

2013年4月14日日曜日

6年全日本予選@中野十中


6年生の、イヤ小学生のもっとも大きな大会といえる、全日本少年サッカー大会予選が、4月になってすぐに始まりました。

育成の観点からいって、小学生期の選手を対象にこのような大会を行うこと自体がどうなんだ?という意見もあります。
でも、子ども達にとっては「全国」という響きのついている大会は、たくさんの夢と希望が詰まっているのではないでしょうか?
育成観点で問題となるのは、この大会に照準を合わせ、何がなんでも結果を出そうとする大人サイドに問題があるのだと思います。



なんだか、良く分からない前置きですが、ともかく、つばさの6年生は1次予選のトーナメント2試合を戦って、全日本を終えました。
初戦は堀之内に5-1で勝ち。
2回戦はリベルタに0-6で負け。

堀之内戦
前半はボールに対するプレッシャーがそれほど厳しくなかったので、楽にボールを持てることができた。
その結果、前半で5点を奪い、ほぼ試合を決めることができた。
後半は相手のボールに対する寄せが少し速くなったので、前半ほどのリズムを作ることはできなかった。
しかし、前半の貯金もあり、選手を入れ替えながら勝つ事ができた。

リベルタ戦
ボールをしっかりコントロールできる選手が多いチームだった。
0-6で負けたほどの差はないと思うが、次にやったら勝てるかというと、かなり厳しいというレベルの相手だった。
失った6点は自滅がほとんど、また、自滅を重ねる中で負のスパイラルに陥り失点してしまうことも重なり、大量失点となった。

さて、コーチ目線での感想を…
まず、堀之内戦。
もっとタテを意識したい。
タテにボールが入るかどうかではなく、タテを意識しているかどうかが重要。
ボールを持っている選手はもちろんのこと、ボールを受ける選手がタテ(ゴール方向)にボールを動かす(ボールを引き出す)ようなポジション取りをしているかどうか。
そんな、チーム全員が常にタテを伺いながらボールを動かすという「いやらしい」ボール回しができるようになりたい。
その点でみると、この試合はイマイチだった。

リベルタ戦
ディフェンスラインでのボール回し、中盤でのパスカットから、ことごとくピンチを自演するという何とも悩ましい展開。
視野の狭さ、判断の遅さ、サポートの遅さ、アイディアの貧しさ…課題は山盛り。

さて、問題は自陣でボールを奪われることで、たくさんのピンチと失点を重ねてしまったことです。
この試合を観ていて、こう感じた人がたくさん居たのではないでしょうか?
「クリアしろ!!」「前に蹴っておけ!!」

でも、子ども達は最終ラインからボールを繋ごうと、相手選手のプレッシャーをかいくぐりながらパスコースを探すという、コーチが言っている「丁寧な」サッカーをしようとしていました。
この試合、最後まで「丁寧な」サッカーを続けた子ども達は素晴らしかったです。
ですが、その姿勢がピンチを招いたことも同時に考えなければいけません。
「丁寧な」サッカーが悪いのではなく、ボールを奪われる原因を突き止めること、そしてそこを改善することが成長につながります。

手っ取り早く結果を出そうとするなら「つなごうとしても上手くできないんだから、前に大きくボールを蹴っておけ!それでピンチはしのげるし、チャンスも生まれる。」という考え方もあります。
しかし、それではしっかりとパスをつなげる選手にはなれません。
タイミング良くパスコースに顔を出すような選手にもなれません。
大きく前にボールを蹴る「発射台」にはなれます。
大きく蹴られたボールを犬のように追いまくり、相手のミスを誘うような選手にもなれます。
でも、それは選手の伸びしろを大人の力でブチ切るようなものです。

冒頭の訳の分からない前置きはここにつながります。
何がなんでも結果を出そうとすると、リスクを冒さずに前線に大きくボールを蹴り出し、気合いと運動量で勝負!というチームになります。
強豪チームに体罰が多いのはそんな理由からだと思います。
恐怖政治によって、人間離れした運動量を生み出そうとするのです。
しかし、恐怖政治からは独創的なアイディアにあふれたプレーは生まれません。
(運動量や激しいプレーは勝負に対する選手個人の拘りだったり、サッカーに対するプライドから生まれるべきです)

5年後、10年後に良い選手だと言われるためには、しっかりとした技術と判断力が身についていなければなりません。
その為には、判断の伴ったプレーをたくさんすること。
そして、失敗の中から教訓を得ることが必要です。

今回、イヤと言うほど自滅してボロボロになりました。
大切なのはここからです。
落ち込むだけなら誰でもできます。
大人の気に入りそうな反省を口にするだけでは意味がありません。
本当に悔しがって、ショックを受けて同じ失敗を繰り返さないよう、脳みそをフル回転させて対策を練ることです。

もちろん、コーチは今回の課題を改善できるような練習メニューを考えます。
でも、一番のエネルギーは子ども達の意識です。(正直メニューなんて二の次です)
そのあたりを上手く刺激して、子ども達をその気にさせるのが良いコーチなのだと思います。

そんな訳で、最後は宮沢賢治風に
ソンナコーチニ、ワタシハナリタイ…

0 件のコメント:

コメントを投稿