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2005年8月2日火曜日

東アジア選手権・北朝鮮戦

東アジア選手権、日本代表はW杯最終予選で2勝している北朝鮮に0-1で負けました。
ネット上でですが、マスコミの反応をさらっと見てみると、「波乱!」とか「まさかの…」や「屈辱的な…」なんて表現が目立ちます。
「ひとり言」を読んで頂いている方なら、もう分かると思いますが、自分はこう思います「波乱じゃなくて、十分起こりうる結果だろ?」と。

負けて当然とは言いません。
10年前と比べると、日本のサッカーレベルもかなりのモノになったと思います。
でも、勝って当然というレベルには、到達していません。
というか、アジアの中ではかろうじて、チョットだけ優位に立てているかも(?)しれないというような状況であるという事は、自分も感じています。
それは、サッカーのレベル(技術や駆け引きの能力)が飛躍的に上がったのではなく、ジャパンマネーの力で『世界の一流』と触れ合う機会をたくさん持つ事が出来たからだと思います。

Jリーグが出来て、そこにはサッカー小僧達が憧れる本物のスーパースター達が「選手」としてピッチに立ち、日本の選手達と一緒にプレーしていました。
ジーコ、リトバルスキー、リネカー(は期待はずれ…)等々…
その後も、カレッカ、ストイチコフ、ストイコビッチ、エジムンドなど、本当の一流が来日してプレーしていきました。
渋いところではハシェックなんて隠れたスーパースターもいました。
(ちなみに、リネカー、ストイチコフとW杯の得点王を2大会連続で来日させたほど、当時のJリーグは潤っていました。あ、スキラッチも来てた!)
今で言えば、ジダンやロナウド(…は凄すぎるか?)がJリーグでプレーするようなモノでしょう。

指導陣も半端ではありませんでした。
メジャーではありませんでしたが、日本代表を変えたオフトは、その後もジュビロ、レッズが強くなる基礎を築いた下地作りのプロ(?)として抜きん出ていました。
(実は日本リーグ時代にも「マツダ」「ヤマハ」を指導し、チーム力を上げた実績がある。結果を出せない監督ではありますが…)
今や世界のトップ監督であるベンゲルを始め、各国でトップレベルの指導力を持っていると言われている人物が、次々とJクラブの監督に就任しました。

そして、代表チームは強豪といわれるチームと何度も対戦する事が出来ました。
ブラジル、アルゼンチン、イタリア、ドイツ、フランス…
そのためか、知らず知らずのうちに、日本のFIFAランキングが急上昇してしまったのも、日本中を勘違いさせてしまう事に手を貸しているのかもしれません。
(強豪と良いゲームをすればランキングは上がる。それも数が多いほど。日本という辺境でゲームをすれば、相手のコンディションは最悪、それなりに競ったゲームになるハズなんですが…しかも、親善試合なんかは、来日してすぐ試合という事が当たり前ですから。)

選手個々の力が他国と比べて特に抜けているとは思いませんが、このような周囲を取り巻く「環境」や「経験」が日本サッカーの見えない「力」を後押ししていると思います。
それに加えて、「入っちゃった!」「勝っちゃった!」という試合内容ながらも、着実に結果を残してきた日本代表なのですが、この「勘違い」したままでは危険だと思うのです。
だからこそ、「勝って良かったのか…」と思う事もありました。

さて、今回の敗戦をもう一度振り返ってみましょう。
失点は、中沢のイージーミスですが、そんな事はサッカーではよくある事です。
(まぁ、「よく」あってもらったは困りますが、ミスがらみで失点するのはある程度計算済み)
ディフェンスに関して言えば、それ以外の部分でしっかりと対応出来ていたのかどうか。
ゴールが決まったかどうかという事も重要ですが、ゴール前で崩されていたかどうかの方が大切だと思います。

問題はやはり攻撃陣(というと攻撃的なポジションの選手ばかりが対象に思われてしまいそうなので、DFも含めた攻撃の組み立てということにしておいて下さい)でしょう。
「決定力不足」と言われていますが、それはFWばかりのせいとは言えません。
前半の途中で、いつものように強烈な睡魔に襲われたため、所々で意識がなくなっていますが、自分の記憶している限りでは、決定的なチャンスは1度だけでした。
田中達也がドリブルで中へ切り込んで打ったシュート…ではなく、そのこぼれ球に詰めた大黒が勢いよく飛び込みすぎ、キーパーにボールをぶつけてしまった場面です。
でも、見方によっては、その場面ですらこぼれたボールとキーパーの距離が近すぎたので、決めるのが難しいとも思えました。

その他は、相手ディフェンダーにも分かるようなタイミングと軌跡でゴール前に「放り込まれる」アバウトなクロスのみ。
それを決めないからといって、日本のFWには決定力がないといわれるのでは、FWの選手が可哀想な気がします。
というか、そんな「クソ」みたいなクロスをバシバシとゴールにたたきつけるようなFWがいるとしたら、間違いなく世界一のストライカーになれると思います。
(一度だけ、前半に早いタイミングでボールを繋いで相手ディフェンスの中央を崩しかけた場面がありましたが、ラストパスがずれてしまいシュートまでもっていけませんでした)
点が取れないのは、FWの責任もあるが、そこまでの組み立てがダメだからだと自分は思うのです。

アジアカップとW杯予選での日本の勝ちっぷりは、そんな中からこぼれ球を押し込んだり、相手チームが自分のゴールにボールを蹴り込んでくれたり、ノープレッシャーでボールを丁寧に蹴れるセットプレーから生まれたモノがほとんどだと記憶しています。
速いパス回しが日本の持ち味といいますが、そんなプレーは2~3試合で1度見れればいい方です。
そんなんで良く勝ち上がってきたものだと、「神様」ジーコの神通力のすごさに驚くと同時に、そんな試合運びに堂々と胸を張る選手やサポーター、マスコミが恥ずかしくなってしまうのです。

今回の敗戦で、またジーコ不要論が再燃するかもしれません。
自分もジーコが監督として優れているとは思いません。(選手としては抜群でしたけど)
でも、責めるべきは監督ではないと思うのです。
日本は、まだまだの国なんだという事をもっと感じてもらいたいのです。
選手達には力があるのに、監督の能力が低いから…というような風潮は何とかしてもらいたいと思います。
マスコミにも、サポーター連中にも、そして選手達にも。
選手達は、もっともっと上手くならなければいけないし、もっと純粋にサッカーに取り組んでもらいたいと思います。
そして、チョット勝つとものすごい勢いで選手達を持ち上げたり、有望な選手をいきなりスター扱いしてしまうマスコミやサポーターも、もっと(愛情を持った)厳しい目で見て欲しいとも思います。
彼等は、少年達の「夢」なんですから。

以上、日本がサッカー大国になる事を切に願う者より。

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